澄み渡る空に煙と湯気
本紙掲載日：2020-10-29
8面
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延岡市郊外・深まる秋にみそ造り
澄み渡る秋の空に、立ち上る煙と湯気――。延岡市郊外の民家の庭先で２７日、昔ながらのみそ作りが行われた。
同市伊形小学校の家庭教育学級「いがたっこクラス」の活動として企画され、地域の人を講師に、この日は母親９人が参加した。
かまどにまきをくべ、大きな釜でぐつぐつと大豆を煮た後、ざるに上げて水気を切り、年代ものの手動式みそ挽（ひ）き器で、ミンチ状にすりつぶす。それを、もろぶたに移し、数日前から仕込んでいた米麹（こうじ）、麦麹、塩と混ぜ合わせる。そこに「あめ」と呼ばれる大豆の煮汁を少し加える。みそにコクを出すためだという。
混ぜ合わせたら、ぎゅっと固く握って、丸めて団子にしていく。そうすることで中の空気を抜き、カビの発生を防ぐ。さらに、そのだんごを容器に詰め、ここでもぎゅっぎゅっと上から押さえ、隙間をなくす。
後は、冷暗所で３カ月ほど寝かせて熟成。今の時期だと、ちょうどお正月ごろ、おいしく食べられるようになるという。大豆と麹のやさしい香りに包まれながら、母親たちは子育てや料理の話に花を咲かせ、和やかなひとときを過ごしていた。