諸塚村－ＤＸ推進協を設立

本紙掲載日：2021-05-11

3面

「諸塚村森林・林業ＤＸ推進協議会」の設立式（県森林組合連合会で）　

県森連、ＮＴＴと連携－独自の実証事業

◆森林・林業活性化へ－ＩＣＴを利活用

　諸塚村と県森林組合連合会、ＮＴＴ西日本宮崎支店はこのほど、ＩＣＴ（情報通信技術）などを利活用して森林保全や林業活性化を目指すため、産官学・地域連携の「諸塚村森林・林業ＤＸ（デジタルトランスフォーメーション）推進協議会」を設立。併せて、同村で独自の実証事業に取り組むことを発表した。

　協議会によると、森林所有者は世代交代の進展で山の資産価値が分からず、森林経営の継続には詳細な情報が必要。また、林業従事者は高齢化や後継者不足で、適正な森林の維持には新たな技術革新が求められるなど、林業が抱える課題が顕在化しているため、ＤＸ（デジタルによる変革）に取り組むことにした。

　実証事業では、人工衛星やドローンを利活用して森林情報をデジタル化し、調査や計測作業を効率化するとともに、森林管理や林業経営に必要な情報を提供する仕組みを構築。取得したデジタル情報を役立つ情報に見える化するほか、クラウドサービス環境を整備し、ビジネスへの活用も目指すという。

　協議会は３者のほか、耳川広域森林組合、宮崎大学農学部森林緑地環境科学科、県木材事業協同組合連合会を含めた６団体で構成し、連携・協力して実証事業を推進する。事務局は県森林組合連合会内に置く。

　同日、宮崎市の県森林組合連合会であった協議会の設立式には、同連合会の長友幹雄代表理事会長、ＮＴＴ西日本宮崎支店の桒畑秀哉支店長が出席したほか、諸塚村の西川健村長ら協議会メンバーがオンラインで参加。

　西川村長は「ドローンや衛星を活用した森林資源のデジタル化に関する実証の取り組みは、デジタル技術により業務の変革をもたらし、林業のもろもろの課題解決につながると考えている。取り組みが森林・林業の新たな展開に大きく寄与することを期待している」。

　桒畑支店長は「ＤＸをＩＣＴで支える中で、林業が５０年、１００年と持続可能になるよう貢献したい」、協議会の発起人代表の長友代表理事会長は「情報は活用してこそ価値が出る。今回はデジタル技術を駆使しての挑戦になるが、協力をお願いしたい」と協議会の構成団体に呼び掛けた。