将来の夢や目標への一歩を実現

本紙掲載日：2023-01-27

6面

日向市子どもの夢サポート事業

◆中学生３人の取り組み、感想紹介

　日向市の将来を担う人材を育成する「市子どもの夢サポート事業」。市内の中学生が、日ごろ思い描いている夢や目標に向かってチャレンジする取り組みを支援する。同事業は、２０１８年度から始まり今年度で５回目。市は、必要経費に対して１人当たり最大３０万円を補助する。今年度は８人の応募があり、書類審査、プレゼンテーション審査を経て３人が選ばれた。３月には報告会が予定されているが、一足先に３人の貴重な経験を紙上で紹介する。

①応募したきっかけは。
②活動でどんなことを学びたいと思いましたか。
③実際にどんな体験をしましたか。
④新たに学んだこと、発見は。
⑤指導やアドバイスで心に残ったことは。
⑥活動後、自分の気持ちや行動に変化したことはありますか。
⑦今回の体験を今後どのように生かしますか。
⑧改めて将来の目標、抱負を聞かせてください。

◆那須輝人（なす・きらと）さん－日向中２年
「陸上短距離走の五輪選手になって子どもたちに勇気や元気を与えたい」

①夢はオリンピックに出場すること。２０２１年の東京オリンピック１００メートル走に出場した多田修平選手からじかに学び、少しでも近づきたいと思いました。

②練習方法のドリル、走るフォーム、スタートの意識など、多田選手から直接聞いて身に付けたいと思いました。

③昨年１０月に鹿児島であった多田選手らの合宿に参加しました。トレーニング法、ピッチを上げるドリル、フォームの意識などを多田選手が丁寧に教えてくれました。

④スピードに乗った時の地面を蹴るタイミング、太ももの上げ方、腕の振り方など、以前から自分でも意識していたが、修正できなかったところの改善方法を教えてもらいました。

⑤ゴールするまでフォームを意識しながら走ると絶対勝てると言われ、フォームの大事さを再認識しました。メンタル面では、とにかくレースを楽しむ意識の重要性を学びました。

⑥合宿で学んだことを、さらに自分で考えながら、日々の練習で実践しています。練習で走った後、すぐに止まる癖があったので、最後までフォームを維持したまま流すなど、動きの継続性を大事にしています。

⑦成果がすぐに出て、昨年１１月の県大会で優勝しました。学んだことを生かしながら、冬季練習で自分を追い込みます。夏の県大会で優勝し、九州大会、全国大会に出場したい。

⑧多田選手のような１００メートル走の日本代表選手になって、みんなに応援される選手を目指します。そして、子どもたちに勇気や元気を与えたい。

◆武内保乃香（たけうち・ほのか）さん－富島中１年
「世界で活躍するプロバレリーナになって、いずれは日向に戻ってきて本格的なバレエを教えたい」

①自分の夢をかなえる取り組みができると、すぐに両親に相談しました。「やってみたら」と言われ、夢に近づけると思い、応募しました。

②技術的なもの、どうやってプロになったのか、自分の年齢の時に何をやっていたかなど、生活面や練習法を聞きたかった。

③昨年８月に東京でプロバレリーナの永久メイさん、本島美和さんからレッスンを受け、新国立劇場バレエ団のリハーサルと公演も見ました。２人からは、基本のほか、次の発表会で踊りたいと思う役柄の踊りを指導してもらいました。

④ターン（回転）が苦手だったが、指導を受けてからスムーズに回れるようになりました。目が回らない方法、バランスの取り方なども学びました。

⑤「バレリーナのために思いを込めて作ったトウシューズには、職人さんの魂が込められている」という言葉が響き、道具の大切さを再認識しました。

⑥苦手なターンアウトを克服するために、日常生活から意識することで効率よく回れるようになりました。役に合った踊り方、手ぶり、身ぶりなど、学んだことを心に留めて練習しています。表現力も向上したと思います。

⑦目標の一つでもある海外留学のために、英語の勉強をしっかりとしたい。普段から夢をかなえるためにできることを考えて生活し、自分のバレエに生かしたい。

⑧劇場で生のオーケストラを使った公演を見て、自分もステージに立ちたいとの思いを強くした。技術だけでなく、表現力でも人を引きつける、世界で活躍するバレリーナになりたい。

◆村田恵瑠奈（むらた・ほえるな）さん－平岩小中９年
「世界の人々の支援を行い、多くの人に笑顔になってもらう」

①この活動を夢への第一歩としたい。少しでも夢に近づければと思い、応募しました。

②夢のために何をすれば良いのかを知りたかった。世界中の貧困に苦しむ国々に行った人から、現地の様子などをじかに聞きたかった。

③昨年９月に東京にあるＪＩＣＡ（国際協力機構）地球ひろば、国際援助団体のワールド・ビジョン・ジャパン、国際連合世界食糧計画ＷＦＰ協会を訪問しました。担当者の方が、スライドや写真、映像などを使いながら活動や支援、課題などを紹介してくれました。

④発展途上国は苦しい状況のイメージしかなかったが、現地に行った人から「先入観を持ってはいけない。みんな笑顔。幸せに暮らしている」と聞き、私が思っていたこととは違い驚いた。

⑤「コミュニケーションが一番大事、言葉がすべてではない。ジェスチャーを大きくして伝えるなど、まずは挑戦することが必要。世界中どこでも同じ」という言葉が心に残りました。

⑥積極的に人と会話をしたり、世界のニュースを見たり、講演会に参加したりして、必要だなと思うことを意識して生活している。

⑦小学６年生の社会科の授業で世界のさまざまな課題を学び、役に立ちたいとの気持ちが芽生え、中学生になって大きくなった。高校に進学し、夢をかなえるためにもっと努力する。英語の勉強にも力を入れたい。

⑧現地の写真は、楽しそうな笑顔のものが多かった。一方で、さまざまな課題で苦しむ子どもたちも多かった。特に女の子が多かったので、何とか改善してあげたい。ＪＩＣＡの職員になって、世界中の人の夢や希望をかなえる人になりたい。