全体の防災意識向上図る

一緒に避難訓練−熊野江地区と小中学校

　延岡市立熊野江小学校（田中芳郎校長、８人）と南浦中学校（濱下裕二校長、１３人）、熊野江地区（堀田祐吉区長）が４日、合同の避難訓練を行った。

　地震や津波に対する正しい知識を理解させ、地区全体の防災意識を高めることや避難場所を周知してもらうことを目的に毎年合同で実施している。

　避難訓練は授業中に震度６強、マグニチュード８・０の地震が発生し、津波警報が発令されたという想定で行われた。両校の児童生徒と教職員、同地区の住民が小学校運動場に集合した後、１列になって全員で３階建ての小学校校舎に外付けされた避難階段を使って、速やかに屋上へ避難した。

　市危機管理課地域支援係の黒木勇二郎主任主事（３４）は「もし本当に逃げないといけなくなったとき、どうすれば良いか家で話し合ってください」、市防災推進員（消防本部警防課）の濱方康広さん（５７）は「皆さんの足元を見るだけで防災意識が高いことが分かる。来年も避難訓練に参加していただければ」と呼び掛けた。

　中学２年生の上妻結実さん（１３）は「地震や津波が来たときに、どのように行動しないといけないのか考えながら避難した。家具の固定や防災グッズをそろえて地震の対策をしたい」と話した。

　市の津波ハザードマップによると、海岸から約３００メートルしか離れていない熊野江小は最大９メートルの津波が押し寄せるという。同校周辺には高台がなく、市は２０１７年に高さ１２・３メートルの屋上につながる避難階段を設置した。