働く人の思い学ぶ

本紙掲載日：2022-10-29

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南日本ハム職員の話に耳を傾ける児童

４業種の職員らが講話－高千穂・上野小

　働くことやふるさとに関心を高めようと、高千穂町立上野小学校（岡田能直校長、５６人）は１２日、同校で職業人の話を聞く「ハローワーク教室」を開いた。児童を４班に分け、それぞれ分野の異なる４業種のうち、２業種の話を聞いた。

　県教委が、専門性や人材など豊富な教育的資源を持つ企業に協力を仰ぎ、連携・協働して教育活動の充実を図る「『みやざきの教育』アシスト事業」を活用。キャリア教育の一環で、２０１４年から毎年行っている。

　この日は同事業に賛同する企業の中から、児童の要望などを元に選んだ日向海上保安署、南日本ハム、宮崎歯科技術専門学校、自衛隊宮崎地方協力本部の職員らが講師として訪れた。

　このうち、南日本ハム（本社・日向市、中川準社長）の教室では、施設管理課の石黒雄介さん（２６）と総務人事課の安藤旭信さん（２６）が自社の業務内容や食べ物の大切さについて講話。パワーポイントや紙芝居、包装前のソーセージの袋などを使って分かりやすく解説した。

　２人は冒頭、自社について豚を食べるための準備をする会社と紹介。ハムやソーセージを作る「製造部」、豚を仕入れて肉にする「食肉部」といった食に関する部署に加え、総務・人事などを担当する「管理部門」、施設管理等を担う「施設・環境保全部門」など会社を成り立たせる上で必要不可欠な業務について説明した。

　続けて、命を〃解く〃食肉解体業者の葛藤と命への向き合い方を描いた実話「いのちをいただく～みいちゃんがお肉になる日」を朗読。じっと真剣な表情で聞き入り、目に涙をためる児童もいる中、安藤さんは「豚の寿命は本来１０年くらいだが、私たちの元に送られてくるのは生後半年くらいの豚がほとんど。残り９年６カ月分の命を頂いていることになるので、感謝を込めて『いただきます』を言ってほしい」と伝えた。

　３年の濵田羅依樹さん（９）は「お肉を食べるのはかわいそうだけど、食べることは命をもらうことなので感謝しながら食べたい。いろいろな働く人の気持ちが分かって良かった」と話した。