日向特産・ハウスへべす初出荷

本紙掲載日：2022-06-01

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丹精したハウスへべすを選果機に移す川﨑さん

選別されたへべすを手際良く箱詰めするスタッフ

７月下旬まで約７トンを見込む－ＪＡ日向

　日向特産の香酸かんきつ「平兵衛酢（へべす）」のハウスもの初出荷がけさ、日向市塩見のＪＡ日向選果場であった。今年の出荷予想量は７月下旬までに約７トンを見込み、県内を中心に関東、関西などへ出荷されるという。

　へべすは、江戸時代末期に同市富高地区で発見された同市発祥の特産品。同じ香酸かんきつ類のスダチやカボス、ユズなどより種が少なく、皮が薄いため、果汁がたっぷりでビタミンＣや必須アミノ酸、フラボノイドなど多く含まれている。

　同ＪＡによると、ハウス内の良好な環境で育ったハウスへべすは、種が少なく、果汁がふんだんで高品質。今年も玉太り、酸味、果汁も申し分なく生育したという。現在は５戸（日向市４戸、門川町１戸）の農家が８０アール（同市５２アール、同町２８アール）で栽培。けさはＪＡ日向平兵衛酢部会（７４戸）の部会長を務める川﨑泰富さん（６６）＝門川町宮ケ原＝のハウスで前日に収穫された１８０キロが持ち込まれた。

　へべすは選果機を使い、Ｍサイズ（直径４・５～４・９センチ、重さ５０グラム）とＬサイズ（直径５～５・４センチ、重さ７０グラム）を中心にＳから２Ｌまでの４サイズに分けられそれぞれのケースに選別。分けられたへべすは、スタッフが傷の有無や色付きなどを丁寧に確認しながら、手際よく箱詰め、パック詰め作業を行った。

　川﨑さんは、「今年も果汁率３５％以上、直径５センチ程度の良質が多かった。ハウスで使う燃料費が高騰しているため、高値で取引してもらえれば。へべすは香りや味がよく、どんな料理とも相性が良いので、多くの皆さんに楽しんでほしい」と期待を込めた。

　８月初旬からは露地ものに切り替わる。日向市と門川町の合わせて約２０ヘクタールで栽培されており、１０月中旬ごろまでに昨年並みの出荷量を見込む。

　また、７日はＪＡ日向平兵衛酢部会の役員らが日向市役所を訪問。十屋幸平市長にハウスへべすを贈るほか、へべすを使用したジュースの提供を予定している。