阿部さん、栁田さん姉妹（富島高校定時制）を表彰

本紙掲載日：2021-12-23

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ソロプチミスト延岡「夢を生きる賞」

　日向市の県立富島高校定時制３年次の阿部玲子さん（４８）と栁田亜矢子さん（３４）姉妹に２１日、国際ソロプチミスト延岡（首藤競子会長）から「夢を生きる賞」が贈られた。校長室で同日、表彰式が行われ、首藤会長が２人に賞状などを手渡した。

　国際ソロプチミストは女性でつくる国際的なボランティア組織。女性の生活、地位向上を目指し多様な支援活動に取り組んでいる。同賞は、自身の雇用状況や生活水準を向上させるため「技術訓練や教育を受けている」、「家族に対して主な扶養責任を負っている」といった女性を支援するもの。１９７２年に創設された。

　阿部さんは５人の子どものシングルマザー。入学したのは発達障害のある息子が同高を辞めたいと言ったのがきっかけ。「一緒に通えば卒業できるかも」と４５歳から高校生活を始め、市内の福祉施設で働きながら息子と一緒に学んでいる。

　栁田さんは２人の子どもを１人で育てている。姉に誘われて入学した。高校を中退したことや母子家庭であることへの社会の偏見に苦しみながらも、「高卒」という資格を取るために勉強に励んでいる。

　表彰式では、首藤会長が賞状と１０万円の目録を２人に贈呈。「自分の目標に向かいながら、子どものために頑張る２人を、これからも応援しています」とエールを送った。

　来年から介護福祉士資格取得のための研修を受ける阿部さんは「応援されていることを忘れずに、努力したい」と抱負。看護学校に進む栁田さんは「患者に寄り添える看護師になれるよう頑張りたい」と誓った。

◆栁田さん、全国大会で上位入賞－定時制通信制の発表大会

　栁田さんは１１月２１日、東京都で行われた第６９回全国高校定時制通信制生徒生活体験発表大会に本県代表として出場。各都道府県代表５８人のうち２人に贈られる日本放送協会会長賞を受賞した。

　栁田さんは「分岐点に立って今思うこと」と題し、高校中退や離婚などを経て味わった苦労、入学して見つけた夢などを発表した。

　同賞を含めた８賞の受賞者１５人の発表は、３１日と１月３日の午後５～６時に、ＮＨＫラジオ第２で放送される。放送順は未定。本紙では、１０月２５日に栁田さんの発表の全文を掲載した。