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夏の果物ポポーを収穫

本紙掲載日:2022-09-01
1面

北方町のマリちゃん農園

 延岡市北方町上崎のマリちゃん農園(甲斐佐一郎代表)で8月27日から、夏の果物・ポポーの収穫が始まった。今年は猛暑で日差しが強かったためか、例年より1週間ほど遅れたが、今月上旬まで出荷できる見込みで、JA延岡産直市場や道の駅などの店頭に並ぶ。

 ポポーは淡い緑色をした楕円(だえん)形の果実で、果肉は黄色や薄いオレンジ色をしている。国内では戦後に、一時流行したが、栽培が難しいためか、その後はめったに見かけなくなった。収穫期が短いことなどから〃幻の果実〃とも言われる。

 佐一郎さん(83)は「夢のある果物に挑戦してみよう」と、2006年ごろから妻満理江さん(80)と2人で復活に取り組んだ。長い試行錯誤の末に実をならせるのに成功し、5年ほど前からは出荷もできるようになった。

 クリーミーなナシのようとも、バナナとマンゴーを足したような味とも言われ、人によって感想が分かれるのも特徴。評判を聞きつけて、福岡や大分から直接買い求めに来る人もいるという。

 「『今年はまだでしょうか』という問い合わせもあります。難しい果樹ですが、無農薬で育てています。猛暑の影響か、今年は例年より2〜3割ほど収穫が少なくなりそう」と佐一郎さん。

 用途を広げるため、ジャムなどの加工品を開発している満理江さんも「春先に紫と緑の交じった花がたくさん咲きますが、実がなるのはわずか。強風で倒れると果樹が弱ってしまうので、これから台風が心配です」と話していた。

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