名画と音楽癒やしのひととき

中島美術館で初のコンサート−日向市東郷町

　サクソフォン奏者の川野寿子さん（日向市）と、ピアニストの柏田ゆかりさん（宮崎市）による「山の美術館コンサート」は１５日、日向市東郷町山陰の中島美術館で開かれた。約５０人の来場者は、名画が並ぶ落ち着いた雰囲気の展示室で、２人が奏でる美しい調べに耳を傾けた。同美術館でのコンサートは今回が初めて。

　同美術館は、同町出身で医療機器メーカー「メディキット」の創設者・中島弘明さんが２０１２年、同社の創立４０年を記念して開設。自身の美術品コレクションを一般公開しており、同展示室には横山大観、伊東深水、平山郁夫らの名画が飾られている。

　冒頭で川野さんは「この美術館で演奏できたらすごいだろうなと思っていた。ご縁がつながり開催できたことがうれしい。しばし日常を忘れ、音楽と芸術の世界に浸ってほしい」とあいさつ。

　２部構成で１７曲を演奏した。第１部は「さくらさくら」（作者不詳）「春の海」（宮城道雄作曲＝以下同じ）など日本画にちなんだ日本情緒あふれる曲で開幕。続いて「愛のあいさつ」（エルガー）、「愛の喜び」（クライスラー）などタイトルに「愛」の付く親しみやすいクラシック曲を披露した。

　第２部は「ヴァカンス」（ダマーズ）、「ロマンティック組曲より」（プラネル）のほか、「日本の子守歌メドレー」、「沖縄民謡による変奏曲」（齊藤武）などを奏でた。訪れた人たちは、名画に囲まれた癒やしの空間で、２人の息の合ったアンサンブルに聞き入り、曲が終わるたびに大きな拍手を送っていた。