観光シーズンの渋滞解消へ－小型電動バス運行

本紙掲載日：2021-11-22

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社会実験で２０、２１日に高千穂峡で運行されたグリーンスローモビリティ

高千穂町、国と協力し社会実験

　例年、観光シーズンになると観光客や乗用車で混雑する高千穂町で２０、２１日に交通渋滞解消、高千穂峡以外の観光地への周遊を促す交通手段、インフラ形成のための社会実験が行われた。

　観光シーズン中は観光スポットや駐車場周辺では渋滞が発生。また、滞在型観光地づくりを目指す同町にとって、高千穂峡など特定の場所に人が集中するなどの課題があるという。

　社会実験は町長や町観光協会長らで構成する「高千穂町交通計画協議会」（会長・甲斐宗之高千穂町長）が国交省の事業を活用して実施。①ＡＩを活用した交通需要マネジメントの実験②観光客と共存する交通手段形成の実験③乗り継ぎ拠点を核とした交通インフラ形成の実験―の三つが行われた。

　①は、町と町観光協会のホームページに特設されたウェブサイトで町内無料駐車場の空き状況を常時更新しながら提供。駐車場までの経路などを紹介してスムーズな移動や混雑解消につなげる。

　②は、高千穂峡ボート乗り場―遊歩道入り口（神橋）に無料で乗車できる小型の電動バス「グリーンスローモビリティ」を午前９時～午後５時に１時間３往復のスケジュールで運行。新たな魅力づくりとともに、峡内の御塩井駐車場と第２あららぎ駐車場を閉鎖して自動車の乗り入れを減らして、広い高千穂峡内の利便性向上や歩行者らの安全性を向上させる。

　③は、がまだせ市場、高千穂神社、あまてらす鉄道、道の駅「高千穂」など町内の観光地や駐車場をむすぶ無料の循環シャトルバスを午前８時～午後６時、１５分間隔で運行。周辺観光地への回遊を促し、町内への経済効果を高める。

　実験期間中、高千穂峡では、観光に訪れた家族連れらが紅葉の高千穂峡を散策。グリーンスローモビリティや無料シャトルバスに乗って移動する姿が見られた。

　同町は今後、今回の社会実験が課題解消にどのように役立つか検証。来年の大型連休でも社会実験を行う予定という。

　甲斐町長は「社会実験を通して、町を訪れる人々にストレスなく楽しんでもらう交通システムが構築できれば」と話した。