【お知らせとおことわり】

 夕刊デイリー新聞ならびにYUKAN-DAILY-WEBを
ご利用いただきありがとうございます。

 著作権保護のためWEBブラウザ上からの記事・写真の
ダイレクトプリントができないようになっております。
ご了承下さい。

 サイト内の写真は本紙に掲載されたものですが
本紙掲載分の写真については以下のような規定があります。


 夕刊デイリー新聞社は、本紙に掲載された写真の提供サービス(有料)をしています。

 スポーツで活躍した場面の写真、ステージでの発表会、さまざまな行事で新聞に掲載された写真をご家族の記念に保存されてはいかがですか?

 写真は本紙記者がデジタルカメラで撮影したもので、新聞紙上では白黒でも提供写真はカラープリントです。

写真のサイズと料金は次の通りです。

▽L  サイズ 1枚 300円
▽LL サイズ 1枚 500円
▽A4 サイズ 1枚 1,200円
(A4サイズはラミネート加工もできます。ラミネート加工は500円追加)


L  サイズ
(8.9×12.7センチ)
1枚 300円
LL サイズ
(12.7×17.8センチ)
1枚 500円
A4 サイズ
(21×29.8センチ)
1枚 1,200円
(ラミネート加工は300円追加)

 提供できない写真もありますので、まず、本社にお電話をください。
 掲載日などをお聞きし写真を確認した上で準備します。

 受け渡しは、本社または支社、支局に来社していただくことになります。
 写真によっては提供サイズが限られる場合があります。
 また、事件、事故、災害、選挙、肖像権に関係する写真や本社に版権のない写真は提供できませんのでご了承ください。

 写真は個人的利用に限ります。 印刷物などに用いることはできません。

 写真提供サービス開始とともに、これまでの貸し出しサービスは終了します。


 お問い合わせ、お申し込みは
 本社(電話番号 0982-34・5000、平日は午前9時−午後5時、土曜は午前9時−午後3時)へお願いします。

 

被災地、防災への思い新た

本紙掲載日:2021-11-04
6面

東日本大震災から10年−つなごう!延岡・いわき支援プロジェクト

◆次なる3・11にどう備える−もう「想定外」は許されない−吉沢さん

 東日本大震災被災者の追悼、復興支援活動を続けてきた「つなごう延岡・いわき支援プロジェクト」(牧野哲久会長、末藤俊二実行委員長)は3日、延岡総合文化センターで、震災から10年の節目の「追悼復興支援チャリティー公演」を開いた。福島県双葉郡浪江町の酪農家吉沢正巳さんを迎えた講演、岩手県大船渡市出身の歌手新沼謙治さんのステージを通し、被災地の復興への思いや防災への意識を新たにした。

 プロジェクトは八木千穗子さん(76)、西垣昌代さん(76)、別宮正司さん(故人)らが中心となり、音楽や美術の力で被災地支援と防災の意識を啓発しようと2015年に発足。16年以降毎年複数回チャリティーコンサートや作品展を実施してきた。今回で一区切りとするという。

 第1部は、現在、福島第1原発から北西14キロの小高い場所にある「希望の牧場・ふくしま」で、被ばくした牛230頭を飼う吉沢さんが講演した。吉沢さんは地震発生当時、330頭の黒毛和牛の繁殖から肥育まで一貫の仕事を、浪江農場の責任者として従業員と共に行っていた。

 そこに震度7の地震、15メートルの津波が浪江町を襲い200人近い人が亡くなった。翌日の午前3時すぎ、福島第1原発が爆発。5月12日、生き残った豚や牛を殺処分するように指示が出た。原発から20キロ圏内では餓死させるしかなかった。「人間は大災害の中で、果たして命をどう扱ったのだろう」とこの10年、考え続けたという。

 「国は、繁殖させてはいけない、出荷してはいけない、移動させてはいけないと言うが、浪江町で6軒の農家のおよそ300頭の牛が国の意思に反して生きている。牛たちに商品価値は一切ないが、存在自体が原発事故の避難の生き証人として飼う意味があると考えている」と主張。そして、「この牛たちはあと5年は生きるのではないかと思っている。牛たちが生きている残りの時間に、僕は日本が福島の原発事故の反省を忘れないようにして、原発を終わりにする時代にする、そのことが大事じゃないかと考える。被ばく牛と共に生き、そして原発を終わりにする時代を僕たちが迎えたい」と訴えた。

 吉沢さん自身、その10年前は「宮崎県で起きた口蹄(こうてい)疫での殺処分を『九州南部の畜産はどうなっちゃうんだろう』と見ていた。新燃岳の噴火が始まった。『本当に宮崎、大変だな』」と人ごとだったという。その直後、あの3・11が起きた。「『大変だな』から、震災を通して『あすはわが身』を実体験してしまった」

 その経験から、「いろいろ起きても、遠いよその話。日本人は熱しやすく、冷めやすく、忘れやすいと思う。『まーいいか』から『どうでもいいか』につながる。次なる3・11にどう向き合うか、備えるか、もう想定外なんて許されない」と指摘した。

 そして「地震津波は自然災害なのでどうしようもないと思うが、原発事故は人が生み出したこと。そして原発は人の手によって終わりにできる」と主張。「人間は希望のために生きる。人間にとっての希望とは何かを考えながら、避難民が心が崩れないように、とにかく気持ちをしっかり保っていくことが大事」と力強く伝えた。


◆「ふるさとは今もかわらず」新沼謙治さんと県北少年少女合同合唱団が共演

 第2部はチャリティーコンサート。まずは聖心ウルスラ学園合唱同好会と有志、津野田音楽院、延岡少年少女合唱団の子どもたち総勢約40人で結成された「県北少年少女合同合唱団」が男性アイドルグループ「嵐」の「ふるさと」と、被災地復興支援ソング「花は咲く」の2曲を歌った。

 続いて新沼さんが登場。「嫁に来ないか」「津軽恋女」などの大ヒット曲、父との釣りの思い出を自身で作詞した曲などを披露しながら、気さくな人柄でトークを展開。会場は何度も笑い声に包まれた。

 最後は、合唱団が再び登場し、新沼さんがふるさとを応援するため震災後に作詞作曲した「ふるさとは今もかわらず」を一緒に歌った。被災地への思いを歌声に乗せ、ハーモニーを響かせた。

 コロナ禍の中、久々の大規模なイベントを終え、牧野会長(87)は「とりあえずホッとしました」と笑顔。西垣さんは「訪れた人から『もう一度考え直さないと』といった声も聞かれ、お二人を呼ぶことができて本当に良かった。このプロジェクトはこれで区切りとなるが、被災地への思いを心に刻み、それぞれで活動していきたい」と話した。


◆7日までチャリティー作品展−最終日に防災講話

 作品展は7日まで、同センター展示室で開かれている。午前9時〜午後5時。最終日は同4時まで。無料。
 
市内外で芸術活動に励む愛好家ら70人以上の作品や、市内の幼稚園、小学校、中学校など19団体の子どもたちが制作した作品が並ぶ。また、プロジェクト発足のきっかけとなった、ドイツ在住の画家・吉田義生さんの「津波」など大作5点も展示している。

 また、延岡市の危機管理課も協力。救助活動の様子の写真や被災地の写真、防災グッズの展示などを行う。7日午後2時からは延岡市消防署の河原武博署長による防災講話とミニコンサートなども予定。八木さんは「大作もあります。それぞれの作品の良さを味わってほしい」と多くの来場を呼び掛けている。


その他の記事/過去の記事
page-top