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充実した大学生活、幸せでした

本紙掲載日:2019-03-27
6面

十次記念奨学制度で九保大を卒業西山彰彦さんインタビュー

◆体験を強みに児童養護施設へ就職

 児童養護施設出身の西山彰彦さん(22)はこの春、延岡市の九州保健福祉大学社会福祉学部スポーツ健康福祉学科を卒業しました。同大学を運営する学校法人順正学園(加計美也子理事長)と木城町の社会福祉法人「石井記念友愛社」(児嶋草次郎理事長)などが平成21年に締結した「十次記念奨学制度」で、同大を初めて卒業した2人のうちの1人。また、学業が優秀かつボランティア活動にいそしんだ学生に与えられる「愛の十次賞」を受賞しました。大学時代、自身の境遇や意見を積極的に発表した西山さんの思いを聞きました。


◇生まれてすぐに

 母が病気だったため、生まれてすぐに宮崎市の乳児院「つぼみの寮」に、2歳になる前に木城町の児童養護施設「石井記念友愛園」に預けられました。

 乳児院、児童養護施設は親がいない、虐待を受けていた、貧困などさまざまな事情で養育が困難だったりする子どもが預けられる施設です。

 私は生まれてから大学に入学するまでずっと児童福祉施設で育てていただきました。乳児院の記憶は全くありませんが、職員が時々面会に来てくれたので職員の記憶は少しあります。父の記憶は全くありません。母とは今、たまに会うという関係は築けています。

◇小、中、高時代

 児童養護施設から小学校に通っていた同学年の子は9人いました。私は一般家庭の子とは違うことを幼児の頃から理解していました。一般家庭の子と施設の子とは世間でも区別されるし、それを恥ずかしい、負い目に感じる子もいましたが、私はそういう気持ちはなかったです。施設の子だからと偏見を持たれることはあってはいけないことだと思っていました。いろんなところで頑張っている施設の先輩もいるので、全く恥ずかしいことだと思っていないです。

 中学、高校の頃になるとドラマや本などメディアを通していじめや偏見を持たれることがあるんだなという事実を知りました。

 自分自身はいじめられたことはないですね。私の周りでもなかったと思います。施設の職員と学校関係者がしっかり連携を取ってくれていたのでいじめはありませんでしたし、私たちも学校に行きやすかったです。

 職員が学校行事などにも積極的に参加してくれましたし、周りの親の理解もありました。学校の先生が施設に来てボランティアをしてくれたりしたこともありました。ありがたかったですね。

 一般の家庭の子とあんまり変わらない生活をしていたと思います。ただし、施設内では規則や日課がありました。何時に起きてご飯を食べ、掃除をして学校に行くというような一日の日課がしっかり組まれていました。集団生活ではどうしても日課が必要だと思うので、そこはしっかり守るようにしていました。

 みんな同じ意見だとは思いませんが、何も知らない人は施設に預けられている子と聞くとかわいそうという気持ちが強いと思うし、施設にいる子どももネガティブな捉え方をしてなかなか自信を持てないというのはあると思いますが、例えば虐待や遺棄事件といったいろんな問題がある中、施設に預けられたのは救われたというかむしろ幸せだったのかなと思っています。

 一般の家庭の子どもでも貧困で進学できないなどということをメディアを通して知り、そう考えると施設でしっかり育ててもらい、大学進学までさせていただいたのは本当に幸せなことだったと思います。

 大学進学を最初に志したのは中学生。石井記念友愛社と九州保健福祉大学(学校法人順正学園)との間に連携協力の話が出た時です。私は、身近にいる施設の職員に憧れていた部分もあって福祉の仕事に就きたいと思っていたので、その十次記念奨学制度を使って大学に行きたいと思いました。

 警察官になりたいという小さい頃からの夢もあって揺らいだ時期もありましたが、悩んだ末にもっと広い世界を見たい、視野を広げたい、と大学進学を決めました。

◇大学生活

 勉強とバイトの両立は大変なところもありました。奨学金にも頼りましたが、生活費などはずっと飲食店などのアルバイトをして自分で稼ぎました。

 大学では勉強するだけが全てじゃない、大学生だからこそできることがあると思っていました。施設の環境を知る私だからこそできた活動として、児童養護施設に実習に行って子どもたちの前で経験談や思いを話したり、一般の人向けに児童福祉のテーマで話したりしました。

 テレビの取材を受けたり、学会で発表する機会を設けてもらったりしました。自分の意見を発信するいい機会だと思いましたね。私は施設でお世話になって、施設はこれからも必要だと感じています。先日の意見発表では、施設の職員からも愛情を持って育てていただいたし、だからこそ私はこういうふうに夢を持って大学を卒業することができた。児童養護施設は存続すべきであるということを言いました。

 また、忙しい中でも大学の友達と遊びに行きましたし、施設で一緒に育った仲間とは、それぞれ違う進路に進んだのですが、たまに集まりました。やっぱり昔を知る仲間だから特別な思いがあって、皆の顔が見られるのは特別な時間でしたね。

 大学生活は充実していました。大学に進学させてもらって良かったと今、素直に思えます。

 大学進学は、もちろん自分一人の力ではできなかったことであり、受け入れてくれた九州保健福祉大学の関係者には本当に感謝しています。また、退所した後でも施設の職員が本当に密に関わってくれました。そういうことがあって今の自分があるということは絶対忘れてはいけないと思っていました。それがあるから大学を無事卒業できたのかなと思います。

◇全ての人に感謝

 感謝を伝えたいのはまずは親です。どんな境遇にいたとしても産んでくれた親に感謝することは本当に大事なことと思っています。そう思えだしたのはそれこそ大学進学を志した中学生ぐらいの時期です。それまではいろんなトラブルを抱えていた時期もあって、親を嫌いというか受け入れたくない時期もありましたが、今となっては産んでくれただけで感謝なのかなと素直に思っています。

 あとは一番身近で支えてくれた祖父母。入学式や卒業式など学校行事や施設の行事に毎回足を運んでくれました。施設からの帰省先としても受け入れてくれて、大変だったと思うんですが、本当に親身になって世話をしてくれました。

 それから育ての親というか乳児院、児童養護施設という存在には感謝しきれないぐらいです。いろんな職員の人と出会い、本当に親のように接してくれて感謝しています。

 友愛社の後援会の人にも支えられていることは感じていましたし、ここに来るまでに関わってくれた全ての人のおかげで今、夢をかなえる過程に立てていられるのだと思っています。一人でも欠けていたらここに来ることはできませんでした。

◇本気で一人一人と向き合う

 4月からは鳥取県の児童養護施設に就職し、児童の日常生活を世話する児童指導員として働きます。そこは敷地内に児童養護施設、乳児院、保育所、相談を受け付けるセンター、特別支援学級の分校を持っています。将来は、お世話になった石井記念友愛社に戻って職員として働きたいという夢があります。

 いろんな親子関係、個人の問題を抱えている子どもは心身ともに専門的なケアが必要で、それができるのは専門職がいる児童養護施設。そこでケアを受けながら生活や学習習慣をしっかり身に付け、夢を持って出ていくことが大事だと思います。

 もちろん自分の経験は強みなので、それを生かせる部分があれば生かしたいと思います。けれども、私の体験や思いが絶対正しいとは思っていません。やっぱり子ども一人一人捉え方や考え方があると思います。自分が100%正しいとは思いたくありません。

 自分が施設で育ってきた中で信頼できる、何でも話せる先生がいたので、そういう人を目指したいと思います。先生方に共通するのは、本当に分かろうと向き合ってくれた、一生懸命接してくれたことです。

 それは親がいなかったり、家庭で暮らせない子どもにとっては本当にうれしいことだと思うので、私も本気で一人一人に向き合いたいです。そこは専門的な知識や技術はいらない。誰でもできることであり、でもそれが一番大事なことだと思います。

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