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戦争の悲しみ家族の絆を熱演

本紙掲載日:2018-07-12
6面

サラみやざき「うまれたまちで」延岡公演

◆観客約700人が向き合う平和の尊さ

 太平洋戦争末期から終戦直後、戦争に翻弄(ほんろう)された延岡の家族の実話をモデルにした演劇「うまれたまちで」が7日、延岡市野口記念館で上演された。特攻出撃に息子を送り出し、延岡大空襲では家を焼かれた家族の悲しみと戦後の後悔、戦争に巻き込まれていく市民の複雑な心境を13人の役者が熱演した。午前中は岡富中学校の平和学習として生徒約400人、午後の一般公演は約300人が鑑賞。観客たちは戦争がもたらす不条理さと命の大切さに向き合った。サラみやざき主催。

 「うまれたまちで」は、昭和20年5月11日に鹿児島県知覧基地から特攻出撃した黒木國雄さんとその家族の実話が題材。架空の「日高家」の物語として舞台化しているが、父親の肇さんが残した手記、國雄さんが両親や妹弟に宛てた実際の手紙がせりふになり、また延岡大空襲のシーンでは夕刊デイリー新聞に投稿された読者の体験記が使われた。

 今年2月に宮崎市で初演した際、「ぜひ延岡でも上演してほしい」との声が相次いだ。約半年後、出演者もほぼそのままに延岡公演が実現した。

 「お国のために」と死を前提にした息子の特攻出撃を見送った父だったが、戦況は改善せず、敗戦後は息子の死の意味について考える。

 父役の池田知聡さんは、骨折のために座ったままでの芝居となったが、痛切な語りで父の葛藤を表現し、観客を引き付けた。

 妹役のこはるさん(延岡高3年)、弟役の金丸朔巳さん(宮崎市立本郷中1年)、妹の幼なじみ役の図師鏡花さん(宮崎大宮高1年)ら10代の役者たちも、戦時下を懸命に生きた若者の姿を見事に描き出した。

 最後は、スクリーンに昭和10年前後の延岡の街や人々の動画が映し出される中、延岡市出身のミュージシャン猪野秀史さんが自作曲「うまれたまちで」を歌った。穏やかなピアノのメロディーに延岡を思う歌詞が合わさり、戦時下を生きた人たちに思いをはせながら、ふるさとへの愛情、未来への希望を込めた。


◆僕たちは何をすべきなのか−この舞台を見て岡富中生は考えた

 午前中に平和学習として鑑賞した岡富中学校(瀬戸山初博校長)の生徒たちは、延岡で実際にあった空襲について学び、平和の尊さについて考えた。

 終演後、生徒代表であいさつに立った永淳哉さん(3年)は、感謝の言葉を述べ、これからの自分たちの役割について力強く述べた。(以下、徳永さんの言葉)

 自分たちと同じくらいの年代で、優しくて大切な家族を失ってしまうなんて、とても悲しくて怖かったと思います。延岡の空襲のシーンでは急な展開で臨場感あふれ、鳥肌が立ちました。あんな場面に遭遇したかと思うと、あの空襲で大切な人が大切な家族が失われたかと思うと、とても胸が痛む思いがします。

 やはり戦争は怖いです。戦争の無謀さ悲惨さを改めて感じました。そして、その戦争を二度と繰り返してはいけない。そう強く思いました。

 あと数十年たつと戦争を経験した人がいなくなる、そんな時代が来ます。そんなとき僕たちは何をすべきなのか、どう行動すべきなのか−−。やはり後世に伝えていくことが大事だと思います。

 水色の街を、生まれた街を、大切な宮崎を、大切な延岡を守るために、延岡へ、宮崎へ、日本へ、そして世界へ発信していきたいと思います。

 幸い、きょうは七夕の日。短冊に世界平和とつづりたいと思います。今、ここにある命をいったい何のために使うべきなのか。深く考えさせられました。戦争を繰り返さないよう後世に伝えていく。これも命を使う目的の一つだと思います。


◆平和を守るのが使命−延岡市の役者2人

 母役の松本みさとさん(52)と町の組長役の誉田健次さん(42)は延岡市出身。この舞台を通して生まれ育った延岡の戦争について知り、平和について考えたという。

 「全部、間違いじゃったとかもしれん」−−自身のせりふに誉田さんは考えさせられた。家族を失っても戦争を過去のこととして早く忘れようとする葛藤、生き残った人間が平和を守っていくんだという使命を感じた。

 「戦争のことを知るたびに他人事ではなくなってきました。今の平和が多くの犠牲の上にあり、平和を守ることが今の時代に生きる私たちの使命」

 3人の娘がいる松本さん。演じた母親は息子を特攻出撃に送り出しても悲しみを表に出すことができない。その当時の気持ちを想像することは難しかったという。

 「子どもを事故や病気で亡くすことはあっても、自ら死にやることはどんな気持ちだったのだろうか。戦争は悲惨。決して『かっこいい』とは言ってほしくない」


◆伝えたいという思い強く−2人の高校生役者

 終演後、ロビーで観客を見送っていた、こはるさんと図師鏡花さんの高校生コンビに高齢の女性がこんな言葉を掛けた。

 「よかったよ。語り継いでくれることはうれしい。これからも伝えていってね」

 図師さんは中学1年生から特攻隊を描いた朗読劇「受け継がれる想い」に出演してきた。当時は演じている自分に満足するだけだったが、その後に戦争を題材にした舞台に出演するうちに気持ちが変化。伝えたいという気持ちが強くなり、演技をより意識するようになった。

 「戦争を繰り返さないためにも、その悲惨さを伝えていきたい」

 そんな決意を胸に立った舞台だけに、女性の言葉はうれしかった。「お客さんに伝わってよかった。これからの演技にも生かしていきたい」と話した。

 こはるさんは上演前から「同世代の人たちに見てほしい」と話していた。高校生など若い世代も多かった観客を前に、兄を慕う妹の悲しみ、戦後に苦しむ父を支える娘の気丈さを熱演した。

 「午前中の岡富中生もしっかり見てくれました。今後もこの戦争の悲惨さを表現者の一人として語り継いでいきたい」としっかりした口調で語った。高校卒業後も演劇に携わっていきたいという思いがさらに強くなった。

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