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国内推薦決まる

本紙掲載日:2016-08-13
1面
「九州最後の秘境」と呼ばれる大崩山
「日本百名山」に数えられる祖母山
傾山(市ノ瀬孝さん撮影)

祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク

◆国・9月末までに申請へ−来年5〜7月に可否決定

 日本ユネスコ国内委員会(事務局・文部科学省)は12日、生態系の保全と持続可能な利活用を目的とした「ユネスコエコパーク」(生物圏保存地域)に、宮崎、大分両県にまたがる祖母傾山系地域を推薦することを決めた。9月末までに外務省を通じてユネスコに申請書を提出、来年5〜7月ごろに開かれるMAB(人間と生物圏)計画国際調整理事会で登録の可否が決まる。(3面に関連記事)

 対象地域は、宮崎県側の延岡市、高千穂、日之影町、大分県側の佐伯、豊後大野、竹田市の6市町にまたがる広さ24万3672ヘクタール。名称は「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク」。

 エコパークには(歛賢学術的研究支援7从僂伴匆颪糧展−と三つの機能があるため、祖母、傾、大崩山頂を中心とする1580ヘクタールを自然環境を厳格に保護する「核心地域」、同地域を取り巻く1万7748ヘクタールを教育や調査研究に活用する「緩衝地域」、沿岸部などを除く6市町の22万4344ヘクタールを人と自然が共生する「移行地域」に設定した。

 標高1300〜1700メートル級の山々が連なる対象地域は、急峻(きゅうしゅん)な山岳地形が特徴。温暖帯に見られるアカガシなどの照葉樹林から冷温帯のブナ林など幅広い植生が見られ、緩衝地域に含まれる行縢山には照葉樹林がまとまって残る。
 
動物では、固有種のソボサンショウウオをはじめ、系統学上重要とされる特別天然記念物のニホンカモシカ、天然記念物のヤマネなどのほ乳類、九州では竹田市の大野川上流にしか生息しない渓流魚イワメなどが確認されている。
 
 こうした「日本の自然史博物館」といえる自然環境に加え、ふもとの地域では古くから農林業や竹細工などさまざまな産業が脈々と受け継がれている。国指定重要無形民俗文化財の「高千穂の夜神楽」、歌舞伎、獅子舞など民俗芸能の貴重な伝承の場でもあり、自然と人間社会が共生している点が高く評価された。

 エコパーク登録に向けては、昨年2月に両県と関係自治体が大分・宮崎推進協議会を設立。連携して申請書を作成するなど準備を進めてきた。

 国内推薦決定について河野知事は「豊かで生物多様性に富んだ自然環境、地元の暮らし、伝統文化の継承や2県6市町の連携が高く評価された。登録後を見据え、人と自然の共生について世界のモデルとなるよう地元での機運醸成や人材育成、持続可能なシステムづくりなどしっかりと準備していきたい」とコメントした。

 ユネスコエコパークユネスコ(国連教育科学文化機関)が昭和51年に設けた制度。「綾」など国内7カ所を含む119カ国631地域が登録されている。今回は「祖母・傾・大崩」のほかに、利根川流域の「みなかみ」(群馬、新潟両県)の国内推薦も決まった。

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