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山の神さま、火の神さま……

本紙掲載日:2016-08-02
1面
昔から受け継がれてきた伝統農法の焼き畑
焼土した斜面にソバの種をまく児童

椎葉村不土野尾向小の児童

◆世界農業遺産−焼き畑を体験

 椎葉村不土野の尾向小学校(外山健一郎校長、31人)全校児童は1日、水無地区の民有林で焼き畑体験学習を行った。地域に伝わる農法の継承を目的に毎年行っており28回目。焼き畑など県北部山間地の農林業は、国連食糧農業機関(FAO)の認定する世界農業遺産に選ばれている。

 焼き畑は、切り開いた山の斜面の木を枯らし、焼いた後にソバ、ヒエ、小豆、大豆と年ごとに作物を代えながら4年間作付け。その後は二十数年かけて地力を回復させ、再び焼き畑として活用する。児童は学習を通して伝統的農法を知り、先人から受け継がれる儀礼なども学んでいる。

 今年は児童やPTA、青年団、卒業生など約100人が参加。広さ約40アールの斜面に火を付け、約3時間にわたって燃やした後、児童がソバの種をまいた。

 火入れ前には神事があり、6年の尾前慶久郎君が「火入れの祈り」。「山の神さま火の神さまどうぞ火の余らぬようまた焼け残りのないよう御(おん)守りやってたもり申せ」と全員で復唱した。

 火入れは6年生3人が担当。火を付けた竹の棒を斜面の木の枝などに付けると、バチバチと音を立てて勢いよく燃え広がり、辺りは瞬く間に白い煙で覆われた。同小を卒業した中学生らが、範囲外に燃え広がらないよう放水するなどして焼土を待った。

 その後は、灰で白くなった斜面に向かって6年の甲斐菜乃子さんが「種まきの祈り」。「これより空(あ)き方(ほう)に向かってまく種は根太く葉太く虫けらも食わんよう一粒万倍千俵(びゅう)万俵(びゅう)仰せつけやってたもれ」と述べ、全員でソバの種をたたき付けるように力強くまいた。

 初めて参加した1年の椎葉幸始君は「火がたくさん燃えてすごかった」と感想。小学校最後の体験を終えた6年の甲斐史夏さんは「中学生になっても参加して、小学生のみんながけがしないようサポートしたい。大人になっても続いていてほしい」と話していた。

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