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南海トラフ巨大地震−対策急ピッチ

本紙掲載日:2016-03-11
3面
日向市が整備した日知屋東小校舎屋上に上る屋外避難階段

ハード、ソフト両面で−県北沿岸部

◆延岡・避難タワーやマップ配布

 東日本大震災から11日で5年を迎えた。震災はマグニチュード9・0、最大震度7の激震や大津波などにより、死者・行方不明者1万8456人、建築物の全壊・半壊4万243戸という被害をもたらした。この国内史上最大の災害に全国の自治体は大幅な防災計画の変更を迫られることになった。

 この大地震を上回るとの恐れもある南海トラフ巨大地震が発生する確率は平成25年からの30年間で70%程度。県北も最悪の事態を避けるべく、延岡、日向地区では沿岸部を中心にハード、ソフト両面の対策が急ピッチで進められている。

 延岡市は東日本大震災後、地域防災計画に津波による被害想定を新たに追加。その後も新たな情報に基づきながら、被害想定や対策を随時見直してきた。

 同計画に従い現在までに、南海トラフ巨大地震を想定した最大クラスの津波の浸水域と浸水深を地域ごとに細かく記したハザードマップを作製。民間のビルを含む高層建築や高台など401カ所を緊急避難場所に指定し、一覧をマップとともに全世帯へ配布した。

 二ツ島地区や長浜地区南部など、津波が到達する12分以内の避難が困難な特定避難困難地域に津波避難タワーを建設しているほか、学校校舎屋上に駆け上がれる階段などを整備している。

 津波避難タワーは行政に先駆けて、民間の旭化成新港基地(新浜町)と愛育福祉会(大武町)が独自に建設。ソフト面では、大震災前に178組織だった自主防災組織が現在は248組織まで増加し、世帯数に占める組織率は44%から78%まで高まっている。

 延岡市自主防災組織連絡協議会の山口美三雄会長は7日に市消防本部であった資機材交付式で大震災を振り返り、「われわれはどうすべきなのかということを痛切に思い知らされた。こちらは河川災害や土砂災害の危険もあり、常に意識しながらしっかり備えていかなければならない。そのためには自主防災活動で自助、共助の意識を高めていくことが大変重要だ」と話した。


◆日向・自主防組織率、県内トップ

 南海トラフ巨大地震発生で最悪の場合、津波などで死者約1万5000人との被害想定が県から示されている日向市では、平成25年7月に津波ハザードマップを3万部作製。巨大地震対応版として作り直し市内約1万8000戸に配布したほか、企業や病院、公民館などの公共施設にも備えた。

 津波が発生した際に地域住民の緊急一時避難場所となる「津波避難ビル」は、これまでに市内70施設を指定。日知屋、日知屋東、財光寺南の3小学校には、屋上避難場所と屋上に通じる屋外避難階段を整備するなど、標高が低く高台などの逃げ場所がない地域の対策も進めてきた。

 今月6日には、市内3カ所に設置した津波避難タワーと屋外避難階段の開所式を行った。市では避難困難地域を優先的に選び、今年度から5カ年をかけて津波避難タワー8基、人工の高台を2カ所、屋外避難階段1カ所、高台などへの避難階段4カ所(県施工2カ所含む)、避難路1カ所の整備を進める。

 自主防災組織は、市内91地区のうち87地区で結成され、組織率は95・6%と県内沿岸10市町でトップ。市は引き続き未結成地区への働き掛けを行い、結成率100%を目指している。

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