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「学びの多様化学校」実現目指す

本紙掲載日:2023-12-07
3面
延岡市教委が9月からスタートさせたオンライン学習支援。子どもたちが学ぶ機会を確保できるよう、さまざまな取り組みを続けている(10月27日、熊野江小学校)

子どもの学ぶ機会確保へ−延岡市教委

 延岡市教委は5日、文部科学省が増やす方針を示している「学びの多様化学校」(旧・不登校特例校)について、「教育委員会で審議し、承認を得られた後には、できるだけ早い実現を目指したい」との考えを明らかにした。市議会12月定例会で、澤野幸司教育長が梶本英一議員(自民党きずなの会)に答えた。

 梶本議員は、市教委が9月から始めた、不登校状態にある中学生が対象の「ICT(情報通信技術)を活用したオンライン学習支援」について、現状を質問。

 澤野教育長は、11月末時点で17人が登録し、週3日の配信に10人程度が参加していること、学習支援員2人が生徒一人ひとりに対応し、保護者からの相談にも応じていることなどを説明。

 「学年に応じた学習の実施や、来年度は小学生を対象にした配信も予定していることから、学習支援員の配置の在り方も含めて検討していく必要がある」との考えを示した。

 不登校状態にある児童生徒の実態に配慮し、学習指導要領の内容にとらわれず特別な教育課程を編成する学びの多様化学校。

 梶本議員が「本市ではどう考えているか」と問うと、澤野教育長は「ICTを活用したオンライン学習支援の延長線上に、学びの多様化学校の設置も視野に入れている」と回答。その考えの下で審議し、実現を目指す意向を伝えた。

 文科省の「2022年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、延岡市では昨年度、年間30日以上登校しなかった児童生徒数は小学生53人、中学生144人で計197人。19年度と比較すると60人以上増加した。

 市教委は、増加傾向の状況を受け、学校復帰を目指す適応指導教室「アウトリーチ・オアシス教室」のサテライト教室を21年度には南部、今年度は北部にも設置し、児童生徒の通学負担を軽減。

 ICTを活用したオンライン学習支援は、社会的自立に重点を置いた学びの場として構築しており、子どもの学ぶ機会の確保に力を入れている。

 学びの多様化学校は現在、全国に公立校14校、私立校10校の計24校が設置されており、九州では鹿児島城西高校普通科(ドリームコース)のみ。

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