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磯場から海に転落−女性を救助

本紙掲載日:2023-07-27
3面
池田署長(右)から感謝状を受けた黒田さん(中央)。左は松木消防長

日向市の黒田さんに感謝状−日向海上保安署

 日向海上保安署(池田栄作署長)は25日、日向市細島の三方展望台付近磯場から転落した女性を救助した日向市永江町の黒田久雄さん(73)に感謝状を贈った。

 事故は6月10日午前6時25分ごろ、磯場で釣りをしていた熊本県在住の夫婦が波にさらわれ海中に転落。20代の夫は自力で陸に上がったが、30代の妻が沖に流された。

 通報を受けた市消防署救助隊が女性を確保し、海上で待機していたところ、県水難救済会所属の黒田さんが漁船新開丸(全長約10メートル、3・75トン)で駆け付けて救助するとともに、細島港商業港に搬送し救助隊に引き継いだ。

 感謝状の贈呈は細島港湾合同庁舎で行われ、池田署長ら海保職員と市消防本部の松木嚴生消防長らが出席。池田署長が黒田さんに感謝状を手渡した。

 黒田さんによると、事故当時は、細島港で船に乗って釣りの仕掛けの調整を行っていたところ、消防のサイレンが聞こえた。御鉾ケ浦方面に向かう救急車両が見えたため「水難かもしれない」と判断し、三方方面へ船を出した。

 近くまで向かったものの、霧がかかっていて要救助者を発見できず。ちょうど消防の救急ボートが向かってきたため、話を聞き、現場に向かって女性と救助隊を船に引き上げたという。

 池田署長は「黒田さんの素早い判断のおかげで助かった。地元で地理を知っていたことも幸いだった」と感謝した。

 市消防署OBで消防署長も務めていた黒田さんは救急活動の経験から「一分一秒を争うことを知っていたのでとにかく早く救助しようと思った」と当時を振り返り、「命が一番。助かって良かった」と話した。

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