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免許証返納高齢者−メリット制度を拡充

本紙掲載日:2023-06-21
3面
2023年度第2回延岡市地域公共交通会議

23年度、第2回延岡市地域公共交通会議

◆乗り合いタクシーなど半額に

 2023年度第2回延岡市地域公共交通会議(会長・吉岡修市企画部長)が19日に市役所で開かれ、運転免許証を自主的に返納した高齢者らへのメリット制度を、現行のまちなか循環バスに加え、市内すべての乗り合いタクシーとコミュニティーバスにも適用し半額で利用できるようにすることを決めた。

 同メリット制度は交通事故抑止を目的に、運転が不安な高齢者らに少しでも安心して免許を返納してもらえるよう、物品購入費やサービス利用料金の割引など、官民が協力して対象者にさまざまな特典を用意する取り組み。

◇予約型やチョイソコなども半額

 市は現在、免許返納者に対し、まちなか循環バスの運賃を通常の1回200円から100円割り引いているほか、市独自の電子マネー「のべおかCOIN」を1000円分付与している。

 総会では新たに─、乗り合いタクシーの全10路線(小川・平田線▽安井・神戸─レーヨン線▽須佐─大武線▽上三輪・貝の畑─祇園線▽北方線▽北浦線▽小野・石田線▽櫛津・土々呂線▽赤水・鯛名線▽伊形線)▽予約型乗り合いタクシー祝子川線▽コミュニティーバス北川線(自家用車有償運送)─の料金を通常の1回100円から半額の50円とし、チョイソコのべおか(北浦町)も半額割引の150円とすることを承認した。

 なお、割引特典を受けるには65歳以上で免許を自主返納後、1年以内に申請した人に交付される「運転免許返納者割引証」が必要で、有効期限は申請日から1年。今回追加した公共交通の割引開始時期は未定だが、市地域・離島・交通政策課は「できるだけ早い時期を考えている」としている。

◇南部乗り合いタクシー伊形線−実証運行を8月以降も延長

 総会ではまた、実証期間を延長して7月末までとしていた「南部乗り合いタクシー伊形線」の運行を8月以降も継続することを決定。実証運行は2月1日に開始し、当初は3月末までを予定していたが、沿線地区からの要望を受けて再実証している。

 5月末までの1便平均乗車数は1・57人で目標値の同2・0人は達しなかったが、再実証の経緯や、3月と4月は目標値を上回ったこと、沿線の区長ら住民への働き掛けで利用者増の可能性があるとして当面の継続を判断。8月以降は本格運行への移行も視野に運行状況などを注視していくこととした。

 このほか、例年夏休みに実施している小学生対象のまちなか循環バスの無料化を、今年も8月の1カ月間行うことを報告した。

 昨年は期間中の小学生利用者が延べ384人で、前年より22%増えたという。

◇補助金申請へ事業計画策定

 同地域公共交通会議に続いて開かれた延岡市地域公共交通活性化協議会では、地域公共交通確保維持改善事業費補助金の申請に必要な「地域内フィーダー系統確保維持計画」について協議。同補助金はコミュニティーバスや乗り合いタクシーの運行による欠損額の一部を補助するもので、協議会では今月末に国土交通大臣へ計画認定申請書を提出することを申し合わせた。

 計画が認定されれば、10月から1年間の事業実績に基づき2025年3月末の補助金交付が判断される予定。計画策定に当たり、国土交通省延岡河川国道事務所と市土木課、日豊汽船が協議会委員に加わることや、公募型プロポーザル方式で選ばれた中央コンサルタンツ宮崎事務所に業務委託することも確認した。

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