土々呂中生８人、細胞観察など体験
本紙掲載日：2022-12-13
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九保大でジュニア科学スクール−野口遵顕彰会
◆「めちゃくちゃ面白かった」
延岡市吉野町の九州保健福祉大学の設備を活用して、市内中学生の科学への興味を育てる「ジュニア科学スクール」が１０日、同大であった。土々呂中１〜３年生８人が、がん細胞や納豆菌を光学顕微鏡で観察した。
同スクールは、旭化成の創業者を顕彰する野口遵顕彰会（吉玉典生会長）が、小学校高学年を対象に２０１２年から始めた。中学生対象は、同大の協力を得て２０年から新たに始まり４回目。
テーマは「身近な微生物を用いた体験学習とがん細胞観察」で、臨床検査技師を目指す学生が学ぶ内容。生命医科学部生命医科学科の長�霆稙鷭擽擬�（細胞診断学）と薬師寺宏匡准教授（微生物学）から指導を受けた。
午前中は顕微鏡の使い方を学んだ後、細胞診の授業で使われる子宮頸部（けいぶ）の正常細胞とがん細胞の標本を比較観察した。がん化すると、細胞の形にばらつきが出て、核の大きさも変わるという。
午後からは納豆菌と酵母菌の標本を自分で作って観察した。危険性はなかったが、危険な細菌から身を守る方法を学ぶため、標本を作る際には防護具（ガウンと手袋）を着用し、外し方も教わった。
納豆菌の芽胞（がほう）も観察した。芽胞は耐久性が高く、１００度で煮ても死なないという。芽胞を形成する菌は自然界に数多くあり、「（よく煮てあるから大丈夫と思っても）２日目のカレーで食中毒を起こすことがあるのは、（毒性の強い菌の）芽胞のせい」と薬師寺准教授。
生きている菌をそのまま観察し、運動性のある菌とない菌があることも学んだ。
中田伊武樹さん（１年）は「参加した理由は親に勧められたからだけど、めちゃくちゃ面白かった。がん細胞が、まとまっていたのには驚いた」と話していた。中学生向けの同スクールは、年３、４校ずつ開く予定という。