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地元中学生から見舞い品

本紙掲載日:2022-09-28
6面

「元気が出ました」白羽根さん−延岡市小川町

 「感動して涙が出ました。元気が出ました」と話すのは、延岡市小川町の白羽根裕子(ひろこ)さん(78)。床下浸水で泥だらけになった家を片付けていた23日、地元の中学生が「お見舞い」として、水やカップ麺などの食品を届けてくれたのだ。手書きの見舞い文と「片づけは平日はできませんが、休日等はできます」と、電話番号も添えられていた。

 届けたのは、上南方小中学校の生徒会(工藤龍成会長)を中心とする中学3年生。台風が去った翌日、被災して登校できなかった生徒がいたことがきっかけ。生徒会と3年生の7人で小川町を自転車で回ったところ、ほこりだらけ。新築の家も被災している。「人ごとじゃない。自分たちにも何かできないかと思った」(比恵島暖=はる=副会長)。

 SDGs(持続可能な開発目標)の勉強で知った「フードドライブ」(各家庭で余った食品を持ち寄って寄付する活動)の実践を思いつき、全校児童生徒に協力を呼び掛けた。3年生19人が手分けして見舞い文を書き、30袋ほどを作成。同町(53戸)の被災世帯(床上15戸、床下3戸)に1軒ずつ配って回った。

 白羽根さん方は、1993(平成5)年に床上50センチの浸水被害を受け、2005(同17)年に1・9メートルかさ上げしたが、それでも床下に水が入った。93年より2メートルほど水が増えた計算になる。

 倉庫は中身まで泥だらけ。庭は流木だらけ。床下の水はなかなか乾かない。23日は、千葉県から手伝いに帰ってきた長女と一緒に片付けていた。はいてもはいても出てくる泥と格闘し、「床下は消毒しないとカビが生える。どうしよう」と嘆いていた時に、中学生が見舞いに来てくれた。「本当にうれしかった。泣いてしまった」

 「みんなに喜ばれたので、やって良かったと思った」と工藤生徒会長。柳田英人校長は「学習が実践につながった」と、生徒たちの行動を褒めた。

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