五ケ瀬スキー場、今季営業を断念

アクセス道、復旧の見通し立たず

◆昨季は黒字−支配人残念でしかない

　五ケ瀬町は２６日、台風１４号により発生した土砂崩れなどの影響で鞍岡地区の五ケ瀬ハイランドスキー場（社長・小迫幸弘町長）へ続く唯一の道路が寸断されたことを受け、１２月１６日オープン予定としていたスキー場の今冬営業を断念すると決めた。麓に位置する波帰（はき）集落の先で発生した大規模な土砂崩れに加え、ほか複数箇所でも被害を確認しており、復旧にかかる期間や予算規模の見通しが立たないためとしている。

　町は２０日に事態を把握。２２日にスキー場を経営する第三セクター・五ケ瀬ハイランドや町の職員らが現地調査を行った。取りまとめた調査結果を基に２６日、町議会で被害内容の報告や季節労働者への対応などを踏まえた営業の可否が協議されたという。

　五ケ瀬ハイランドによると、スキー場は昨冬、天候に恵まれたことなどから、８０日間の営業に対して２万４７５６人（一昨季比５割増）が来訪。スキー場単独での純損益は黒字に転じていた。今冬は大分県の九重森林公園スキー場との相互特典企画もあり、さらなる集客を見込んでいた矢先の営業断念となった。

　小笠まゆみ支配人（６０）は「残念の一言だが、お客さまや従業員の安全が一番なので仕方がない」と落胆。一方で、ゲレンデや設備の損壊は見られなかったと明るい話題も口にし「たくさんの方々にお越しいただけるよう、万全のメンテナンスに努めながら次のシーズンを待ちたい。引き続き応援をお願いします」と話した。