大型台風１４号、九州直撃

本紙掲載日：2022-09-19

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県内・一時、特別警報大雨暴風

◆河川氾濫、交通寸断

　大型で非常に強い台風１４号は、昨夜からけさにかけて九州の西側を縦断した。九州の全域が風速２５メートル以上の暴風域に覆われ、県内には１８日午後１０時ごろ最接近した。

　台風は今夜、日本海へ抜けた後、２０日朝にかけて北陸や東北に向かう可能性がある。

　気象庁は本県の大半の地域に出している大雨特別警報を午前１１時に警報に切り替えた。黒良龍太予報課長は記者会見し、「本当に多く野雨が降っている。土砂災害は雨がやんだだいぶ後に起きることもあるので、警戒を緩めないでほしい」と話した。

　宮崎県のまとめでは、延岡市内で高齢の女性が風にあおられて転倒するなど県北で５人（延岡市３、諸塚村１、日之影町１人）が軽傷を負った。

　避難状況は、県内で合計１７３３世帯の３１２４人が避難。このうち諸塚村で１４３世帯の２６７人、椎葉村で１３８世帯の２５７人など、県北で合計６４１世帯の１１５７人が避難した。

　農地・農業用施設では、高千穂町岩戸で牛舎が道路に押し流され、親牛３頭の生存が不明。人的被害はなかった。

　社会福祉施設関係では、延岡市内の２施設で浸水や門の一部が破損する被害があった。人的被害はなかった。

　また、細島工業団地への工業用水道の供給について、企業局北部管理事務所がポンプを停止し、受け入れ企業に節水を依頼した。

◆日之影町－観測史上最大雨量５１５ミリ

　県北部ではきのうの午後４時から夜にかけて山沿いを中心に線状降水帯による非常に激しい雨が降り、１９日午前８時までの２４時間降水量は、日之影で２０１０年の統計開始から観測史上最大となる５１５ミリを午前３時３０分までの２４時間で更新。

　神門でも７１２・５ミリを観測した。最大１時間降水量は神門で７６・５ミリ、椎葉５７・５ミリ、日之影５４・５ミリ、諸塚５２・５ミリの非常に激しい雨を観測した。

【降り始めからの総雨量】（１５日午前０時～１９日午前８時）神門＝９８５ミリ▽諸塚＝８０４ミリ▽椎葉＝６２４ミリ▽日之影＝５８８・５ミリ▽鞍岡＝５５１・５ミリ▽北方＝５１５・５ミリ▽高千穂＝３８８ミリ▽延岡＝３２３・５ミリ▽日向＝２８３・５ミリ、古江＝２００ミリ

【最大風速】古江＝１６・５メートル（午後１１時５４分観測）▽延岡＝１３・８メートル（同１時３６分）▽高千穂＝１２・６メートル（同１０時１５分）▽日向＝１１・９メートル（同１０時２４分）▽鞍岡＝９・７メートル（同９時５３分）▽神門＝７・５メートル（同６時１５分）

◆最大瞬間風速、古江で３２メートル

【最大瞬間風速】古江＝３２・８メートル（午後２時４４分観測）▽同市＝３０・３メートル（同９時１８分）▽高千穂＝２９・８メートル（同１０時３８分）▽鞍岡＝２８メートル（同９時１９分）▽日向＝２７・４メートル（同８時１４分）▽神門＝２４・６メートル（午前８時５４分）