水泳の技術、礼儀など伝える

元五輪日本代表コーチの久世さん−延岡市水泳協会

　オリンピックメダリストの松田丈志選手を２８年間指導し、元五輪日本代表コーチなどを務めた久世由美子さん（７５）＝延岡市水泳協会副会長＝による強化練習が１６〜１８日、同市の西階運動公園遊泳場で行われた。

　スイミングクラブの垣根を越えたレベルアップ、ジュニア選手の競泳競技力の向上などを目的に、延岡市水泳協会が初めて実施。市内外のクラブチームに所属する小学４年生から高校２年生までの２１人が参加した。

　参加者がプールに入る前に、久世さんは、足を曲げずに四足歩行する「ぞう」、同じ体勢で今度は両足を跳ねながら移動する「うま」などの体幹・筋力トレーニングを指導。なかなかうまくできない参加者には「分からないことも、とりあえず素直に聞いて、感覚をつかんでいくことが大事」と呼び掛けた。

　その後、参加者はプールでは松田選手が実際にしていたメニューの一部を体験。パドルやビート板などの器具も使いながら、ストロークの感覚や、長く泳ぐための力の配分調整などを体に染み込ませた。

　押方晟太さん（１４）は「今後練習する上での態度や礼儀面でも学ぶことは多くあった。（２３日から始まる）中体連の県大会では表彰台を目指しているので、今回のトレーニングを生かして粘り強い泳ぎをしたい」。同じく県大会に出場する児玉羽月さん（１４）は「違うチームとの合同練習は良い刺激になる。飛び込みをもっときれいに、最後まで足を打ち続けて、九州大会を目指したい」と意気込みを語った。

　久世さんは「どんなに早く泳げても、普段から礼節のある選手でなければ、応援はしてもらえない。今回教えたことを子どもたちが、今後の大会でどのように生かしていくのか、期待している」と話した。