親子で網、図鑑を手に採集

本紙掲載日：2022-07-22

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五ケ所高原で昆虫教室－高千穂

　高千穂町ユネスコエコパーク推進会議（佐藤利治会長）の「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク昆虫教室」は１６、１７日、同町の五ケ所高原であった。このうち、１６日は五ケ所高原ひめゆりセンターで夜間の部が開かれ、同町の家族連れ１６組（うち小学生２２人）が参加。親子で夜の昆虫観察を楽しんだ。

　２０１７年、ユネスコエコパークに登録された祖母・傾・大崩山系の生態系に触れ、自然を大切にする心を養ってもらおうと１８年にスタート。毎年７～８月に行っていたが、今回は新型コロナウイルスの影響により３年ぶりの実施となった。

　講師は、宮崎昆虫調査研究会の岩﨑郁雄会長（６７）＝宮崎市＝と同会員の八木真紀子さん（６３）＝日南市＝。冒頭、岩﨑会長は「時間によってどんな虫が出てくるか注目してほしい」。八木さんは「昆虫採集をすると物事を調べる習慣が身に付くので賢くなる」などとあいさつした。

　木々に囲まれ「カナカナカナカナ…」とヒグラシが鳴く中、白い布と照明を組み合わせたライトトラップで昆虫をおびき寄せ、素手や網で捕獲。虫籠を持って岩﨑会長と八木さんに質問したり、図鑑とにらめっこしたりしながら観察した。

　子どもたちにとっては、夜に集まるという体験自体も楽しかった様子。「おった！」「そっちそっち！」と網を掲げて飛んでいる昆虫を追い掛けたり、小さな探検隊を結成してセンター周辺を探索したりする姿もあった。

　父親の拓海さん（４８）と一緒に参加した南村碧さん（９）＝同町三田井＝は「カブトムシやクワガタが好き。今日は見つからなかったけど、ダイコクコガネムシというきれいな虫が捕まえられたので楽しかった。また参加したい」と笑顔。

　岩﨑会長は「知識だけでなく、見て、触れて、感じることが自然を深く知ることにつながる。このような体験を通して『昆虫学者になりたい』と思ったり、次の世代に楽しさを伝えてくれる人が増えれば」と話した。

　翌日には昼間の部が行われ、参加した親子は昆虫採集や標本作りなどを行った。＝写真はすべて１６日撮影。