コロナ禍の夜神楽
本紙掲載日：2021-12-09
3面
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中止、縮小続き、それならば−
◆初のオンライン配信−高千穂町押方五ケ村保存会
高千穂町の各地で例年１１月中旬〜２月上旬に奉納される夜神楽三十三番がコロナ禍で昨年に続き、今年も多くの地区で中止、規模縮小となっている。そんな中、２年連続で地区の夜神楽中止が決まった同町押方の五ケ村神楽保存会（藤��康隆会長、２３人）は４日夜、保存会独自に夜神楽オンライン配信を行った。
同保存会は、観光事業支援コンサルティングなどを行う「訪（おとな）う」代表取締役で夜神楽オンライン配信の実績がある同町の日�皸�さんが今年、保存会会員になったことなどから、地区の夜神楽のオンライン配信を初めて計画。ところが夜神楽そのものが中止になった。
しかし、藤��会長（６８）や若手の舞い手らは高千穂の夜神楽を発信しようと、保存会独自のオンライン配信を計画。観光客など町外の人たちに神楽を体験してもらおうと藤��会長が今年、自宅内に設けた神庭（こうにわ）で行うことを決めた。
配信したのは夜神楽三十三番の前に行われる「御子屋誉め」と、神楽「五穀」「弓正護」「幣神添」など九番を特別編成したもの。五穀豊穣（ほうじょう）や氏子らの健康祈願など神楽に込められた思いが伝わるものや同地区の特徴的な神楽を選んだという。保存会員らは１０月末から稽古を重ねてきた。
当日は、奉仕者（ほしゃ、ほうししゃ）と呼ばれる保存会員ら９人が舞、太鼓や笛などで神楽を奉納した。日�發気鵑砲茲覯鮴發筌ぅ鵐織咼紂爾發△蝓∋臆端圓錬音�間、複数設置されたカメラを通してたっぷりと神楽の世界、魅力を体感。「間近で見たい」「迫力満点」などとコメントしていた。
同保存会の戸高康弘さん（４８）は「夜神楽がないと一年を締めくくったという気がしない。オンラインがあることで神楽を練習できたし、きょうも緊張感を持って舞うことができて達成感がある」と笑顔で話した。
藤��会長は、地区の夜神楽で重要な氏子の減少などに強い危機感を持っているという。「オンラインに参加した人が高千穂の夜神楽に興味を持って来年以降、見に来てくれたら。その中から高千穂を第２のふるさととし、毎年、夜神楽の〃一夜氏子〃として支えてくれる人がでてくればうれしい」と話した。