消費税インボイス制度、理解深める

延岡市青色申告会

◆延岡税務署・大藏さん招き講演会

　延岡市青色申告会（吉玉典生会長）の第１６回「税を考える週間講演会」はこのほど、市中小企業振興センターで会員ら約４０人が出席して開かれ、延岡税務署統括国税調査官の大藏剛さんが「消費税インボイス制度の導入について」をテーマに話した。

　講演会は、会員や一般の納税者に納税意識の高揚と税について理解を深めてもらおうと毎年、「税を考える週間（１１月１１〜１７日）」に合わせて開催している。

　大藏さんは、２０２３年１０月１日から導入される「課税仕入れなどに係る消費税額（仕入税額）」の控除について話した。課税売り上げにかかる消費税から、課税仕入れなどにかかる消費税を差し引く仕入れ税額控除の方法が変わることがポイントで、従来の控除要件である「一定の事項が記載された帳簿の保存と、区分記載請求書などの保存」に対し、新制度では「一定の事項が記載された帳簿の保存」は変わらないものの、請求書については適格請求書（インボイス）などの保存が必要になると説明した。

　適格請求書については、「売り手が買い手に対して正確な適用税率や消費税額を伝えるための手段であり、登録番号のほか一定の事項が記載された請求書や納品書その他これらに類するものを指す」とした。

　また、適格請求書を交付することができるのは税務署長の登録を受けた「適格請求書発行事業者」のみとし、課税事業者に限られることにも触れ、国税庁のウェブサイトでは適格請求書など保存方式に関するＱ＆Ａを公開していることを紹介。施行日までの理解を促した。

　参加した事業者は大藏さんの話を熱心に聞きながら、解説書にメモを走らせていた。また、講演会の後は会場を移して懇親会もあり、テーブルを囲んで会員相互の親睦を深めた。