お米「感謝して食べたい」
本紙掲載日：2021-11-17
8面
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南小５年生が稲刈り体験
延岡市立南小学校（早田茂美校長、６９９人）の稲刈り体験がこのほど、延岡市沖田町であった。ＪＡ延岡青壮年部（田口正幸部長、６３人）の協力で、５年生１２２人が６月に自分たちで植えたクスタマモチ（もち米の品種）を手刈りした。
総合的な学習の一環として、農業の大変さや具体的な作業内容を知り、「作物を育てる喜び」「農家への感謝」「集団で取り組む意義」などを理解しようと、毎年行っている。
稲刈りは農業を営む山内憲次さん（５３）の田んぼで行われた。同校のＰＴＡ役員を務めていた父奎介さん（８３）が４１年前に始めた田んぼの提供を家業とともに引き継ぎ、それ以来１５年にわたって体験に携わっているという。
まず、山内さんと青壮年部のメンバーが稲の刈り方や鎌の扱い方を説明。「作業中に走らない」「速さを競わない」など注意点を教わった児童は、田んぼの両端から中央に向けて稲刈り。刃物を使った作業に少し緊張した表情で取り組んでいたが、次第に慣れてくると「楽しい」「うまく切れた」などと話しながら収穫の喜びを味わっていた。
５００平方メートルの田んぼに育った稲を約１時間で半分ほど刈り取って作業は終了。その後、コンバイン（刈り取り、脱穀、選別機能を持つ乗用農機）で残った稲刈りの実演や脱穀、無人ヘリコプターとドローンによる農薬散布デモも行われ、児童たちは進歩した農作業の技術に目を輝かせていた。
宗��結奏さん（１０）は「鎌は怖かったけど慣れると楽しかった。いろんな人が関わってお米ができているので感謝して食べたい」と感想。山内さんは「一生に一度の良い経験になったと思う。食の大切さを知ることはもちろん、農業にも興味を持ってくれたらうれしい」と話していた。