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賞の人(1)−寺原正さん(72)日向市東郷町坪谷

本紙掲載日:2021-10-18
2面
5日、坪谷小学校の実習田であった五色米の収穫で、子どもたちと触れ合った寺原正さん

2021年度・第48回夕刊デイリー明るい社会賞

◆子どもたちに伝統文化を

 「農業は自然の力が8割、人間の力は2割しかない」と坪谷小学校の児童に自然の恵みへの感謝、大切さを伝える。約30年前から同小の体験学習に実習田を提供。毎日のように田んぼに足を運び、水の管理、草取り、病害虫の対策など稲の生育に気を配る。

 農業の楽しさを学んでもらおうと、見た目も鮮やかな五色米の栽培も取り入れた。同小の体験学習は「全校児童で行うことが最大の特徴。上級生が主体的に下級生に教える伝統が定着した」と胸を張る。「今では私が指導することはない。補足程度ですね」と目を細め、今年の収穫も見守った。

 実習田の他にも、同小の環境整備に協力する地域教育ネットワーク協議会の会長、牧水顕彰会理事、交通指導員などを務め、地域の活性化、ふれあい、絆づくりに尽力してきた。

 「坪谷の文化が廃れてしまう」と、こども保存会を立ち上げ、臼太鼓神楽、盆踊りなど伝統文化の継承にも力を注いできた。「コロナ禍で発表の場、地域との交流ができない」と早期収束を願う。

 「米作り体験、伝統文化の継承などを通して食や農業の大切さ、地域の人への感謝、郷土愛が育ってくれればうれしい。今後も体が続く限り、地域のために貢献したい」と話した。

(推薦者=黒木正一・日向市社会福祉協議会会長、矢野続・前坪谷区区長、吉田義・坪谷小学校校長)

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