ワクチン接種を後押し

啓発用・ＤＶＤとチラシを作成

◆延岡市医師会・教育現場でも活用を

　若い世代の新型コロナワクチン接種を後押ししようと、延岡市医師会（佐藤信博会長）が啓発用のＤＶＤ（動画）とチラシを作成した。インターネット上などで飛び交う科学的根拠のない情報により接種をためらう子どもや親も多いとして、教育現場などでの活用を求めている。

　動画は１５分以下の内容で、佐藤医師会長と、県新型コロナ対策調整本部の佐藤圭創特任医師へのインタビューを軸に構成。この中で佐藤医師会長は、世界で２億人が新型コロナに感染、そのうち４３０万人が死亡したとして、「まだ特効薬が開発されていない中ではワクチンしかない」と訴えている。

　また、県北は医師をはじめとする医療人材・資源に乏しく、感染拡大が続けば医療崩壊に陥るとの危機感を強調。市内では６５歳以上のワクチン接種率（８月１１日現在）が８割まで進んだ一方、１２歳以上の全対象年代では４割程度だとして、早期接種で医療崩壊を防ぐよう呼び掛けている。

　佐藤特任医師は接種に伴う副反応について、ウイルスを排除する抗体が３７・５〜３８・５度の体温で形成されやすいとして、接種後の発熱など風邪のような体調変化は良い兆候だと説明。体がきつければ、市販の解熱剤や鎮痛剤を使用しても何ら問題ないとしている。

　強力なアレルギー反応のアナフィラキシーショックは１００万〜２００万人に１人の割合で発生し、発熱や倦怠（けんたい）感が１週間以上続く過剰免疫反応もごくまれに起きるが、いずれも薬で抑えることができ、十分対応できる体制が整っていると紹介。接種が進めばその地域の社会的ウイルス量が減り、公衆衛生を守ることにつながるとして、ワクチンの有効性を語っている。

　一方、チラシは、許可を得て、宮崎市新型コロナワクチン対策局が作成した文面を一部変更し複製。うわさ話に対する質問に答える形で、副反応やワクチン効果の科学的データを示すとともに、「不妊や流産になる可能性がある」「体に磁石がくっつく」「マイクロチップが入っている」「遺伝情報が書き換えられる」といったデマを信じないよう訴え、接種を勧めている。

　ＤＶＤは感染者対応やワクチン接種への尽力に対し、延岡商工会議所から感謝状とともに贈られた寄付金を活用し、ケーブルメディアワイワイと共同製作。概要版はインターネット動画投稿サイトのＹｏｕＴｕｂｅ（ユーチューブ）でも、題名の「延岡市医師会よりワクチン接種についてのお願い」を検索すれば視聴できる。ＤＶＤとチラシは延岡市内の中学校、高校と主要機関・団体に配布する。