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ココカラSDGs−第6回「未来をはぐくむ防災×SDGs」(下)

本紙掲載日:2021-09-23
6面

▽包括的避難、大きな課題の一つ―吉田さん
▽言語対応、もっとインクルーシブに―ブレンさん
▽「防災ダイバーシティ」人の数だけ備えあり―難波さん

−−外国人の立場から、災害時に「もっとこうだったら」と思うことはありますか。

〈ブレン〉もっと避難所をインクルーシブ(包括的)に運営してほしいと感じます。延岡市に暮らす外国人には、インドネシア人やベトナム人が多くいます。そういう人たちの言語に対応してもらえたらうれしいです。

−−インクルーシブという言葉が出てきました。難波さん、SDGsの観点から説明をお願いします。

〈難波〉2015年3月に開催された第3回国際防災世界大会では「仙台防災枠組」が採択されました。障害者と防災について大きく取り上げられ、誰も置き去りにしない「インクルーシブ防災」の提唱につながっています。
インクルーシブ防災は障害者や高齢者を含む、あらゆる人を取り残さない防災という考え方です。災害による被害の大きさは危機、暴露、脆弱(ぜいじゃく)性の関係性で変化します。仙台防災枠組には災害への強さ(レジリエンス)への事前投資や、より良い復興が掲げられていますが、ここではレジリエンスに着目したいと思います。
レジリエンスとは簡単に言うと、しなやかな強さという意味です。災害の場合には「被害の回復が早い」ことを意味します。脆弱性は、社会環境が大きく影響すると言われています。それはなぜか。設備や仕組みなど社会の多くの決まりごとは多数派に合わせてつくられています。そのため、取り残されている障害者や外国人などの少数派は、災害に対して脆弱性を多く持っているのです。
SDGsや防災では、脆弱性を改善してレジリエンスを高めることが重要と言われています。

−−ちなみに、ブレンは「高台」という漢字は読めますか。

〈ブレン〉「こうだい」ですか。

〈難波〉これは「たかだい」と読みます。よく高台に逃げましょうと言いますが、外国人のほとんどは読めないと思います。ある地域では、外国人向けの漢字の勉強会を市役所の職員が行っています。これこそが未然防止策です。そのような取り組みを公助として取り組んでくれたら、さらにインクルーシブになっていくと思います。
市民が公民館で教えたり、子どもから教えてもらったりするのもいいですね。地域コミュニティーの構築につながっていきますし、外国人にとっても「この漢字は見たことがある」と、災害時の避難行動を判断することができます。
〈ブレン〉延岡市には約500人の外国人が暮らしていて、インドネシア、ベトナム、韓国、中国、フィリピンの人が多いです。通知や情報は韓国語、ベトナム語、共通言語の英語で知らせた方がもっとインクルーシブになると思います。

−−「インクルーシブ防災」について、吉田さんはどうお考えですか。

〈吉田〉頻発する災害で犠牲になっているのは、多くが逃げ遅れた高齢者などです。そのような要配慮者の中で、特に避難支援が必要な「避難行動要支援者」に対して、市町村が個別の避難計画を作成することになり、今年5月に災害対策基本法が改正されました。
延岡市としても今後、そのような方々の避難に力を入れていきたいです。しかし、包括的に避難させることは難しく、その解決策を見つけることが私の大きな課題の一つでもあります。

−−私たち市民は、まず何から始めるべきでしょうか。

〈吉田〉災害に対して、公助の限界がきているように感じます。犠牲者や被害をなくすためには今後、自助と共助が必要になります。そのためには平常時から災害を意識し、避難行動を起こす意識に変える必要があります。普段使いができていないものは当然、災害時にもすぐには使えません。そのような意識付けや地域の避難訓練などに参加することから始めてほしいです。

〈難波〉地域の避難訓練に参加するなど、普段から地域コミュニティーを構築することがレジリエンスにつながります。また実際に、コロナ禍で対応が早い地方自治体は、SDGsの視点でまちづくりを進め、自助と共助に取り組んでいるということがデータで示されています。

−−ここで、自助について考えてみたいと思います。

〈難波〉インターネットサイト「Yahoo!(ヤフー)防災ダイバーシティ」について紹介させてください。ダイバーシティは多様性を意味します。「みんなが必要な備えはもちろんありますが、
その人だから必要な備えがある」「防災は一つじゃない」「一人一人、自分だからこそ必要な備えを考えること。それが何よりの防災だと信じている」と書かれていて、とても納得しました。つまり、自助が大切だということです。
「Yahoo!防災ダイバーシティ」では、項目を選びながら進むと「わたしの防災」として必要な備えが示されます。気になった備えはありますか。

〈吉田〉コンサートやライブで使うペンライトをライトの代わりにしたり、キャンプ好きな人がテントや寝袋を用意したり、スポーツ好きな人がスキーウエアを防寒具として使用したり。それぞれの日常にあるものを災害時に転用できるのはいいですね。また、災害時はキャッシュレスが使えなくなる可能性があるので、小銭を含めた現金を用意しておくことも納得しました。

〈ブレン〉プロテインが気になりました。食べ物がなくてもたんぱく質が取れますね。また、家族写真も用意しておくといいと思いました。災害で家族が行方不明になってしまった場合、携帯電話の充電が切れてしまっても、手元に写真があればすぐに見せることができ、探してもらえます。

−−では最後に、今回感じたことをお一人ずつお聞かせください。

〈吉田〉個人的にですが、これから「インクルーシブ防災」に取り組みたいと思っています。まずはいろいろなことを受け入れるという気持ちから行動につなげていきたいです。

〈ブレン〉いろいろな災害がありますが、一番は誰でも避難できるようになること。全員が避難できる場所をつくり、自分で避難することが困難な人には、自治体からの支援があるといいですね。

〈難波〉インクルーシブという考え方を取り入れることは、時代の流れだと思います。一人一人が違うことを「防災ダイバーシティ」を通して話し合うことで、お互いを知ることができます。人の数だけ備えがあります。働き方も生き方も多様化している時代です。防災も同じで、知ることが始まりです。
知ることの積み重ねが、災害に対してレジリエンスな未来のまちにつながりますし、それを私たちが育まなければいけません。一人一人が何気ない生活の中で意識して行動していくことが大切です。
ありがとうございました。現在、延岡市駅前複合施設エンクロス2階で、この番組「ココカラSDGs」のゲストの皆さんお薦めの本を紹介しています。ぜひ足を運んでみてください。

【第6回の出演者】
〈ゲスト〉延岡市危機管理課地域支援係長の吉田昌史さん。
〈アドバイザー〉SDGsコミュニケーター難波裕扶子さん(日向市)。
〈ナビゲーター〉松田祐子さん(FMのべおか)。
〈アシスタント〉ボウラー・ブレンさん(FMのべおか)。

■再放送
23日午後8時、26日午前11時からの2回。

■第7回の内容■
〈テーマ〉アートとスポーツのチカラ×SDGs。
〈ゲスト〉旭化成延岡支社総務・広報グループの課長・中村行成さん、KIGURUMIBIZ(新富町)の代表・加納ひろみさん。
〈放送日〉10月21日午後1時から。
〈再放送〉10月28日午後8時から、同31日午前11時からの2回。

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