会場、文化センターに変更

本紙掲載日：2021-09-03

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１０月９日天下一薪能

◆感染拡大、城山設営は困難に－理事長ら今後、延期も視野

　ＮＰＯ法人のべおか天下一市民交流機構（松下宏理事長）は１日、延岡市で来月９日に予定されている「第２４回のべおか天下一薪能（てんがいちたきぎのう）」の会場を、延岡城址（し）二の丸広場から同市東浜砂町の延岡総合文化センター大ホールに変更すると発表した。

　例年、多くの市民ボランティアが参加して野外に会場を設営してきたが、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中「作業は困難」と判断。しかし「何としても開催したい」との思いは強く、雨天時も開催可能で換気システムも整っている同センターへの会場変更を決めた。日時、演目に大きな変更はない。

　松下理事長（７６）と酒井修平副理事長（７１）は２日、会場変更の経緯について話し、今後の感染状況によっては「年度内の延期も視野に検討を進めている」ことも明かした。

　酒井副理事長は「来月９日に開催できる可能性も含め、非常に悩ましい状況にあり、実行委員会の中でも意見はさまざま。ただ、開催したいとの思いに変わりはなく、今は一日も早く感染が収束することを願うばかり」と胸中を吐露。

　「屋内での開催ということで、薪能ではなく、ろうそくの火をともす『ろうそく能』になる。舞台の背景に松の生木を設置したり、場内にちょうちんを飾り付けるなど、野外の舞台に負けないくらいのしつらえで来場者をお迎えしたい」と、改めて意気込みを語った。

　のべおか天下一薪能は、１９９７年から毎年続けられており、昨年は国文祭・芸文祭みやざき２０２０分野別フェスティバルの一つとして予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で演目などはそのままに１年延期された。

　出演は観世流能楽師シテ方の片山九郎右衛門さん、大蔵流狂言師の茂山千五郎さんら。演目は、同薪能では初公演となる能「橋弁慶（はしべんけい）」、２００５年以来２度目の公演となる能「葵上（あおいのうえ）」、千五郎さんらによる狂言「仏師（ぶっし）」。同市の子ども（小学３年生～高校２年生）５人も出演する。

◆８日の能楽講座は中止

　ＮＰＯ法人のべおか天下一市民交流機構は、８日に開催予定だった能楽ジャーナリスト石淵文榮さんによる能楽講座「物語のはじまる場所『五条わたり』～能『橋弁慶』、狂言『仏師』を中心に～」を中止すると決めた。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、会場の市民協働まちづくりセンター（同市東本小路）が休館となったため。

　なお、２２日に予定されている奈良県立万葉文化館指導研究員の井上さやかさん（延岡市出身）による能楽講座は開催予定だが「今後の感染状況によって判断する」としている。