日之影町議会が可決

２カ月間減給・町長全額、副町長７割

◆議長は３カ月間全額カット

　日之影町議会は９月定例会初日の１日、町が提案した佐藤貢町長の給与を９、１０月の２カ月間にわたって全額、工藤裕士副町長の給与を２カ月間、７割を減額する町条例の一部改正案と、議員発議による一水輝明議長の報酬全額を９〜１１月の３カ月間カットする町条例の一部改正案をいずれも原案どおり賛成多数で可決した。

　佐藤町長、工藤副町長、一水議長らは、県が新型コロナウイルス感染症拡大対策のため、県外への不要不急の往来自粛を県が求めた「感染拡大防止月間」中の７月に大分県竹田市のゴルフ場でプレー。減額案はこれを問題にして提出された。

　直後に臨時会を開催し、議員から批判が相次ぎ、町長らは自らの給与を５割、副町長を３割、８〜１０月の３カ月間減額する町条例の一部改正案を提出した。しかし、議員から「減額幅が少ない」などを理由に、賛成少数で否決された。また、動議で議長に対する不信任案も可決されていた。

　今回の９月定例会では、佐藤町長が提案理由説明の中で、「臨時会で町民の皆さまの思いを聞いた。改めて皆さまにおわびを申し上げます」と頭を下げた。

　質疑の中で、佐藤町長は町内の医療関係者、教職員、町職員らに改めて直接謝罪したことなどを報告。工藤副町長は、「町長の補佐役として町長に『いけません』と言うべきだった。認識が甘く、あいまいな行動をとったことを深く反省している」と謝罪した。

　議員らは「誰も止める人がいなかったことが残念」などと発言し、危機管理に対する意識向上や防疫も含めた適正な危機管理体制を求める意見などが出た。

　また、議長の報酬を３カ月間減額する町条例の一部改正案を提出した甲斐睦彦議員は、議案の趣旨について「行政の監視機関の長として許されず、町議会の信頼を損なった」と説明。賛成多数で可決後、一水議長は議場で「議員、行政執行部、町民の皆さまにご迷惑をおかけした。誠に申し訳ございませんでした」と謝罪した。