知事会見−県下全域４日にも感染拡大緊急警報へ

デルタ株「風邪より強い感染力」

　河野知事は３日午前の定例会見で、４日にも県下全域の警報レベルを「感染拡大緊急警報」に引き上げ、宮崎・東諸県圏域を感染急増（赤）圏域に指定するよう検討していることを明かした。

　全国的に過去最悪の感染状況が続く中、県内の新規感染者は３日まで８日連続１０人以上。３日は５月２０日発表以来、７５日ぶりに３０人を超える見込みとなった。

　県は４日、県新型コロナウイルス感染症対策本部会議、市町村とのウェブ会議を開き、方針を協議する。「第５波」の感染急拡大を防ぐ瀬戸際として、県下全域を「感染警戒（オレンジ）区域」に指定し、会食（４人以下、２時間以内）や高齢者施設の面会制限など行動要請を行う。

　また、県民県内旅行（ジモ・ミヤ・タビ）キャペーンは全県で一時停止する。

　特に感染者が急増している宮崎市を含む宮崎・東諸県圏域は、原則外出自粛などの行動要請を行う赤圏域に。一方で、「飲食店で複数のクラスターが発生した第４波の当初とは状況が違う」として、飲食店への営業時間短縮要請を行うかどうかは、慎重に判断する。

　夏休みやお盆へ向け、これまで「帰省はできるだけ控えて」と要請してきたが、「都道府県をまたぐ旅行・帰省は原則中止・延期を」と表現を強め、改めて呼び掛けた。

　知事は「厳しい第５波が本県に押し寄せている。県内でも急速に置き換わっているデルタ株は、通常の風邪よりも感染力が強いという専門家の分析があり、まったく違う感染症と相対する危機感が必要」と強調した。