「えがおの里延岡」１周年

本紙掲載日：2021-06-28

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延岡総合庁舎内食堂・売店

◆障害や難病のある人で運営－買い出しから盛り付けまで丁寧に

　障害や難病のある人が自立して社会で働くことを支援している就労継続支援Ａ型事業所「えがおの里延岡」は、県の延岡総合庁舎（延岡市愛宕町）内で食堂・売店を運営し、来店客に食事を提供している。７月１日には、オープン１周年を迎える。

　食堂では、２０～６０代の利用者１０人が働いており、仕込みから盛り付けまでのすべての業務を行っている。利用者は、職員から渡された写真と同じ食材を決まった店まで買い出しに行き、レシピ通りに調理し、盛り付けまで丁寧に作業している。

　売店でも、利用者が作った総菜やサラダなどを含むさまざまな商品の販売から品出し、レジ締めまで、同事業所の職員の手助けをほとんど受けず、利用者のみで営業している。

　同事業所の生活支援員、日髙由貴さん（３５）によると、オープンした昨年から、新型コロナウイルスの感染予防策として、手洗いや消毒を徹底。

　余った料理は職員と利用者で昼食に食べ、「塩分をもう少し控えた方がいい」「色を加えた方がいい」など、食べてみて気付いた点を話し合い、レシピを見直すこともあるという。

　また、利用者は仕事に対して「家に食費を渡すことができる」「自分で車を買いたい」「働くことで張り合いができ、生きている実感が持てる」と前向きな姿勢を見せている。真剣に仕事と向き合う利用者の姿をいつも近くで見ている日髙さんは「頑張る姿に心を打たれます。利用者が作った料理をぜひ食べに来てください」と呼び掛けている。

　食堂と売店は、同庁舎の１階にあり、誰でも利用できる。平日のみの営業。食堂は午後０時３０分から同１時３０分まで。ビュッフェ式で同庁舎勤務の人は１食５５０円、外部の人は８８０円。売店は午前８時３０分から午後５時３０分まで。