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音楽の灯をともし30年そして、これから(2)

本紙掲載日:2021-06-05
7面

90歳の現役団員・梅野恭一さんに聞く

◆延フィル30周年記念演奏会、19日午後6時30分から延岡総合文化センター

◆ルーツは流しのバイオリン−音楽は人間の生命の元

−−バイオリンとの出合いについて教えてください。

 1945年の春に宮崎師範学校に入学し、同8月に終戦を迎えました。その2、3年後、予科生だった17、18歳の頃、復員してきた人から「バイオリンを買い取ってくれないか」と声を掛けられました。お金が必要だったのでしょう。

 私は小さい頃から自分で竹笛を作ったり、ささ笛を吹いたり、ハーモニカを吹いたり、とにかく音が好きでした。買い取ったバイオリンは古いバイオリンでしたが、修理したら弾けるようになりました。

 当時仮校舎のあった川南町や地元の日向市美々津町に、たまたまバイオリンを少し弾ける人たちがいて、その人たちから音階や曲を教わりました。いわゆる流し(※)です。だから私のバイオリンはデレデレ弾いたり、パラパラ弾いたり。クラシックとは少し弾き方が違います。

−−延フィル設立時からの団員です。

 入団したのは、もうすぐ定年退職を迎えるという時でした。その頃、地域に弦楽器を弾ける人はほとんどいませんでした。私は流しがルーツですが、やっぱりオーケストラは響きが違います。音楽が好きな者にとっては最高の編成です。「自分もオーケストラで弾いてみたい」。そう思ったのです。

 今、延フィルの団員の中には私が小学校の合奏クラブや合唱クラブで指導し、音楽に触れてきた子どもたちが多くいます。うれしいことですね。

−−90歳を迎えてなおバイオリンを弾き続けておられます。週1回の練習にも、ほとんど休まず参加されていると聞きます。何がそうさせるのでしょうか。

 バイオリンは難しいと言えば一番難しい。たやすいと言えば一番たやすい。指板を見てください。何にも目印がないでしょう。どこを押さえてもいいわけです。歌うように弾けば良いわけです。(書斎の机の上に置いてあるノートパソコンで音楽ソフトを起動し、画面に出てきた譜面を見ながら、伴奏に合わせて緩急自在に一曲披露)。毎日こんなことをして遊んでいます。

 音や旋律というのは人間の生命の元です。赤ちゃんに聞かせる子守歌に始まり、死んだ時に唱えてもらうお経や賛美歌もまた、音であり旋律なのです。ところが最近の音楽はリズムが中心です。私はやはり音や旋律が美しいクラシックが好きですね。聞くとスーと眠くなります。それだけ人間にとって心地が良いのです。

 オーケストラで演奏するということは、人と心が通じます。人の心が流れます。どんげしたら(みんなに)付いていけるか。練習は一つも苦になりません。目と耳が言うことを聞く限りいつまででも弾きたい。みんなが連れて行ってくれるなら、いつまででも付いていきたい。そう思っています。

−−今もご自分で車を運転し、夜でも市外でも練習や演奏会に駆け付けるそうですね。

 少し大げさかもしれませんが、自分では延フィルの看板だと思っています。「おっ、きょうも看板が掛かっちょる。行かんとしょうがないな」。団員のみんなに、そんなふうに思ってもらえたらうれしいですね。

−−若い団員の皆さんに伝えたいことはありますか。

 今の若い人たちは忙しいですからね。転勤もありますしね。この時代、そう簡単なことではないかもしれませんが、音楽に執着してもらいたい、そう願っています。(取材した記者に)これからもオーケストラを助けてやってください。

(※)客を求めて移動しながら路上などで演奏するスタイル。

【プロフィル】日向市美々津町出身、元小学校の音楽教諭。戦後の混乱の中、延岡市内を中心に、赴任した小学校で合奏や合唱のクラブを結成し、いち早く地域に文化の灯をともした。延フィルだけでなく、延岡混声合唱団(1978年〜)、のべおか『第九』を歌う会(86年〜)にも設立時から所属し、現在も活動を続ける。バイオリン作りにも取り組み「今、59丁目を製作中」という。長年の音楽活動は多岐にわたり、2005年に県芸術文化協会芸術文化賞を受賞、16年に延岡市文化功労者。90歳。延岡市富美山町在住。

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