光差し込む図書館カフェ

「トムソーヤの森」が誕生−延岡市浜町

◆新しい癒やしの場

　「延岡に新しいオアシスをつくりたい」との夢を実現し、３月１日に延岡市浜町にオープンした「トムソーヤの森」。閉店したインターネットカフェの運営を引き継いだが、図書館カフェという新しいコンセプトでイメージを一新。温かみのある店内をつくり上げている。

◇スタッフの個性が彩り

　夢を実現したのは、市内で別々の店を経営する３人。延岡ランドリーの矢野修一代表、甲斐花輪の米川克哉社長、岡田花店の岡田明利代表。同店の運営母体となるアドプラスという会社を立ち上げた。

　代表に就いた矢野さんは、店名にも付けたように、冒険小説の主人公が過ごす秘密基地のような空間を意識したという。吹き抜けの天井は開放感があり、木をふんだんに使った内装と柔らかく差し込む外光が心地よい。

　その〃秘密基地〃をより過ごしやすくしているのが、各スタッフの個性だ。図書館カフェというコンセプトのメインとなる本は、開店時で約３万５０００冊。漫画だけでなく、雑誌、小説、子ども向けの絵本など幅広い。担当するのは年間５０００冊は読むという下田里美さん。「テレビや新聞で話題となった本をいち早くお薦めしていきたい」と話す。

　飲食メニューを担当するのは、祖父が開いた日向市の中華料理店で腕を磨いた杉山弦大さん。店の雰囲気に合わせたプレートやパスタ、ピザなどはどれも一手間、二手間を加えたもので、サラダも生野菜にこだわる。台湾スイーツ「豆花（トウファ）」も取り入れるなど意欲的で「これからもいろいろなメニューを考えていきたい」と意気込む。

　そのスタッフをまとめ上げるのが、前身のインターネットカフェ「フリースペース」から働く池田康浩さん。インターネットを自由に使えることは同じだが、「雰囲気はまったく違う」という。

　店内での時間を過ごすブースは、個室１２（うち１０部屋にパソコン設置）、半個室１７。４〜６人で一緒に過ごせるファミリールームやオープンスペースもある。最も数が多い半個室は、図書館の読書スペースのように正面と左右に仕切りがあり、窓側に並んでいる。

　池田さんは「本も女性向けが充実し、女性も楽しめるお店になっている。これからも雰囲気の良いお店をつくっていきたい」と話した。

　営業時間は午前８時〜午前０時。入会金３００円。各席の利用料は、最初の３０分が個室３３０円、半個室２７０円、オープン席２２０円。延長１０分ごとに９０円、８０円、７０円。１、２、３、６、９時間パックもあり、このうち個室の２時間パックは平日７４０円、土・日・祝日８５０円。また、ファミリールームはドリンクバー付きで１時間１５００円。

　今月末まで入会金が無料になるサービスを行っている。問い合わせ先は同店（電話延岡２０・２１１０）。