「神楽サポーター」に８企業・団体

本紙掲載日：2021-03-31

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認定証交付式に出席した認定企業・団体の代表者＝撮影時のみマスクを外しました

県が初認定－宮崎と日本の宝を守ろう

　神楽の継承活動を支援する企業、団体を認定する「みやざきの神楽サポーター」の第１回認定証交付式が３０日、県庁であった。ツーリズム高千穂郷、高千穂町観光協会、東京都葛飾区の防水工事業「アクトテック」（黒木富士男社長＝椎葉村栂尾地区出身）など県内外の８企業、団体が認定を受けた。

　昨年３月時点で、県内の神楽保存団体は２０５。全国でも有数の伝承地だが、少子高齢化などにより地域での継承が難しくなっている。県は、多様な主体で神楽を支えるため、支援団体を紹介する「みやざきの神楽サポーター制度（企業等）」を創設した。

　第１回の認定式で、河野俊嗣知事は「宮崎、日本の宝を保存、継承し、地域活性化を後押ししようという取り組み。輪を広げていく第一歩を記すことができた」。出席団体の代表者に県産スギ製の認定証を手渡した。

　認定者を代表し、東米良創生会（西都市）の濱砂重仁理事長は「人口減少、高齢化の中で、地区を活性化するには人口を増やすこと。サポーターとしての役目を継続していきたい」とあいさつした。

　県記紀編さん記念事業推進室によると、同制度は今年１月に創設。それ以降に申請した５企業・団体と、県の「みんなで支え未来に繋（つな）げるみやざきの『宝』継承事業」に賛同し、企業版ふるさと納税で１００万円以上の寄付を行った３企業を認定した。

　県単位で、神楽に特化した支援制度は全国で初めて。企業にとっては、社会貢献を通したイメージアップなどが期待できるという。同室は「申請は通年で受け付けており、広報に力を入れて、サポーターを増やしていきたい」としている。

　認定企業・団体は次の通り。

【特定非営利活動法人東米良創生会】（西都市、濱砂重仁理事長）
銀鏡神楽保存会、尾八重神楽を含む東米良地区の伝統文化継承、地域創生を継続的に支援している。

【宮崎空港ビル株式会社】（宮崎市、髙屋靖夫社長）
神楽をモチーフにしたからくり時計「夢かぐら」などでの発信やバスツアーなどで本県神楽の盛り上げに貢献している。

【一般社団法人ツーリズム高千穂郷】（高千穂町、藤本昭人代表理事）
事務局員の神楽奉納などのための休暇取得奨励。神楽を資源とした地域外との交流促進に取り組んでいる。

【一般社団法人高千穂町観光協会】（高千穂町、飯干淳志会長）
職員の神楽のための休暇取得奨励、神楽の情報発信、「高千穂の夜神楽伝承協議会」の事務局などで、経費も含めて支援している。

【株式会社アクトテック】（東京都葛飾区、黒木富士男社長）
椎葉村栂尾出身の従業員３人を雇用し、舞い手として毎年１週間ほど帰省するための休暇取得を奨励。社内外の有志で栂尾神楽の鑑賞のため来訪するなど、県外から継承を支援している。

◇県の「みんなで支え未来に繋げるみやざきの『宝』継承事業」で企業版ふるさと納税を活用し１００万円以上を県に寄付した企業

【松野工業株式会社】（大阪市平野区、ガラス製品製造など、松野龍太郎代表取締役）

【イー・アンド・エム株式会社】（東京都千代田区、ソフトウェア開発など、滝澤次郎代表取締役）

【有限会社ファスニング機工】（北九州市小倉北区、トンネル設備工事など、新井隆児社長）