日向市の魅力向上へ

日向高２年生が発表−市総合戦略を考える

◆コミュニティーバス利用促進にマイ時刻表

　日向市が策定した市総合戦略の施策を調査研究している日向高校（星衛俊一郎校長、３６０人）のフロンティア科２年生３９人による課題型学習最終発表会がこのほど、同市中央公民館であった。「日向市の魅力を向上させるには」をテーマに、高校生ならではの視点や切り口で地域活性化策などを提案し、２年間にわたる研究の集大成を披露した。

　若い世代の郷土愛を育て、市の将来を担う人材を育成しようと、市と同校が２０１６年８月に包括連携協定を結び、生徒たちの課題型学習に対する支援を続けている。

　生徒たちは４〜６人の８グループに分かれ、同市の魅力を向上させる目的で市総合戦略に掲げる施策を参考に課題を設定。市や協力機関の担当者の指導を受けたほか、現地調査やアンケート調査などを通じて１年生時から研究を進めてきた。

　このうち、高齢者が住みやすいまちづくりをテーマに掲げたグループは、免許返納後の移動手段として同市のコミュニティーバス「ぷらっとバス」が、高い認知度の割に利用されていないことに着目。見にくいといわれるバス停の時刻表を高齢者にも分かりやすく再作成したり、頻繁に乗車する時間などを自ら書き留められる〃マイ時刻表〃を提案したほか、自ら作成した「ぷらっとバス」のＰＲ動画を披露した。

　最後に「今後も一人でも多くの人を幸せにして、日向市をより良くしていきたいという思いで、不可能なことを可能にしていきたい」などと結んだ。

　別のグループは、市内に住む外国人と地区住民との間に、ごみ出しのトラブルがあることに注目した。言葉の壁により、詳しいルールが伝えられていないことが要因の一つにあることから、やさしい日本語と、分かりやすいイラストや図を使った独自パンフレットを作製し、実際に外国人に説明した体験を紹介。「これからも、日向市に働きに来た外国の人たちにパンフレットを配布して共通理解を促進し、多文化共生社会を実現していきたい」などと意欲的に話した。

　各グループの発表後は十屋幸平市長ら審査員から質問を受ける時間が設けられ、グループの代表が的確に答えて対応した。

　この日は学校関係者や保護者とともに、４月に同科に進学予定の生徒も十数人参加。財光寺中を卒業したばかりの男子生徒（１５）は「プレゼンの仕方や内容、話し方が上手でいろいろ勉強になった。日向市の魅力もいろいろ分かって参加して良かった」と話した。