新電力会社、さらに議論を−延岡市議会

予算審査特別委−関連予算を削除、修正案を可決

◆読谷山市長「納得がいかない」

　延岡市が来年度設立を目指す地域新電力会社について、延岡市議会予算審査特別委員会（中城あかね委員長、２６人）は１７日、来年度一般会計補正予算案から会社設立事業の関連予算を削除した議員提出の減額修正案を、賛成多数で可決した。２４日の最終本会議で可決される見通し。

　市は開会中の市議会３月定例会に、地域新電力会社設立の資本金出資金約６千万円の事業費を含む補正予算案を提出。特別委員会では、同補正のうちプレミアム商品券発行など新型コロナウイルス対策関連事業を先に審議した後、会社設立事業を集中審議した。

　委員からは、発電所の維持など将来の電力供給力の確保を目的に国が２０２４年から導入する容量市場制度や、同制度で発電事業者に全ての小売電気事業者が毎年一定の費用を支払う容量拠出金に関し、会社経営に与える影響を懸念する質問などが挙がった。

　国が現在、制度の見直しを進めていることから、複数の委員が「国の方針が決まるまで待ってはどうか」と求めたのに対し、読谷山市長は「国は、小売電力会社が立ち行く環境をつくるという大前提の上で容量市場制度を検討することを確認している」などとして早期設立を目指す考えを示し、議論は平行線。

　休憩後、友愛クラブ、自民党きずなの会、公明党市議団、社民フォーラムの４会派代表が連名で修正案を提出。電源調達や容量市場の課題などを挙げた上で、「事業を否定するものではないが、市民の理解浸透を図る意味でももう少し時間をかけて検討すべき」と提案理由を説明し、賛成１９で修正案を可決した。

　委員会終了後、読谷山市長は「質問には丁寧に答えてきた中で、修正になるのは納得いかない。私たちの答弁のどこがおかしいのか理解できない。本会議を見た上で対応を考えるが、新型コロナで影響を受ける経済と生活の立て直しに極めて重要な施策だと考えている」と話していた。

　また、委員会では同日、来年度の一般会計当初予算案と国民健康保険、食肉センター、介護保険、後期高齢者医療の各特別会計予算案、水道事業、下水道事業の各会計予算案、修正部分を除いた一般会計補正予算案について、「原案通り可決すべき」と決した。２４日の最終本会議で採決する。