地域の宝を掘り起こす

日向神話研究会を観光功労者表彰−県観光協会

　観光振興への功績をたたえる県観光協会（米良充典会長）の観光功労者表彰伝達式が１２日、延岡市幸町の延岡観光協会事務局であり、神話聖跡地や文献、伝承を調査・研究している日向神話研究会（有留秀雄会長）に賞状が贈られた。

　表彰は、同協会が毎年主催している会員の集いで行われてきたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、各受賞者の協会などで伝達する形が取られた。

　式に出席した県観光協会の片寄元道専務理事は「地域の宝を掘り起こし、地域振興や子供たちの教育にも寄与する県内でも模範となる取り組み」と称賛。片寄専務理事から賞状を手渡された有留会長は「身に余る光栄。コロナ禍が収束したら関係者に大々的に報告して喜びを分かち合いたい」と話した。

　日向神話研究会は、宮崎県北地域における日向神話や伝説・史跡等を研究し、同地域が日向神話の本舞台であることを証明するとともに観光振興に寄与しようと県北有志が２０１８年１０月に結成。宮崎、鹿児島県内の現地調査を行うなどして２０２０年２月に「日向神話の本舞台（宮崎県北編）」を刊行している。

　同研究会を推薦した延岡観光協会の谷平興二代表理事は「（『日向神話の本舞台』は）延岡観光のバイブル。天孫降臨の高千穂と神武天皇お船出の日向との間のピースが埋まり、神話街道が完成した」と今後の県北観光の活性化に期待を寄せた。

　今回、表彰を受けたのは県内７個人・団体。このうち県北では同研究会のほか、椎葉村観光ガイド協会の設立や運営に携わり、後継者育成にも取り組んでいる同村の古川アヤ子さん（７８）が受賞した。

【受賞者】（かっこ内は推薦者）
中米（なかよね）ジャンカン馬踊り保存会（三股町観光協会）古川アヤ子（椎葉村観光協会）日向神話研究会（延岡観光協会）明光社（宮崎神宮）小柳誠次（県商工会連合会）坂元建夫（宮崎交通）倉永章雄（宮崎空港ビル）