焦らず、慌てず、諦めず

本紙掲載日：2021-02-08

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小学生が伝統の竹馬大会－延岡・上南方小中

　延岡市立上南方小中学校（山本琢也校長）の運動場で５日、旧上南方小学校時代から４０年以上続く伝統行事「竹馬大会」があった。小学部（１２２人）の児童が家族手作りの竹馬に乗り、焦らず、慌てず、諦めずゴールを目指した。

　同大会は、竹馬を手作りするところから始まる。お父さん、おじいちゃんら家族の力の見せどころであり、今年は黒いビニールテープを巻いた「オールブラック」の竹馬や、人気アニメ「鬼滅（きめつ）の刃」に出てくる言葉を書き込んだ竹馬も登場した。

　児童たちは１月の冬休み明けから練習を開始。「竹馬タイム」と名付けられた１５分間の休み時間などを活用し、練習を重ねてきたという。

　自分のペースで完走を目指す全員参加の「かめさんレース」と、スピードに自信がある児童が参加する「うさぎさんレース」があり、この日は２０メートルを競走する１年生の「かめさんレース」からスタートした。まだ乗ることができない児童もいたが、６年生から補助してもらい、一歩ずつ前に進んだ。

　同じく２０メートルを競走した２年生の「かめさんレース」では、全員が自分の力で完走し、教職員や応援に駆け付けた保護者を驚かせた。

　距離は学年が上がるごとに長くなり３、４年生は３０メートルに。５、６年生は４０メートルに挑戦した。途中、バランスを崩して転倒してしまう児童もいたが、最後の１人がゴールするまで応援の拍手が送られた。

　「うさぎさんレース」では、はだしで乗る児童、カツカツと小走りに駆け抜ける児童、タッカタッカとステップを踏みながら走る児童など、それぞれの技が光った。

　１年生の甲斐柚夏（ゆか）さんは「おじいちゃんから竹馬を作ってもらいました。まだ乗るのは怖くて、きょうも落ちてしまったけど、来年は乗れるようになりたい」。６年生の稲垣翔大（しょうた）さんは「最後の竹馬大会でした。一生懸命に練習して、５年生の時より速く走れるようになりました。落ちずに完走できたことが一番うれしい」と話した。

　この日の朝、孫の竹馬を最終調整するため同校にやって来たおじいちゃんの姿を見掛けたという山本校長。「この竹馬大会は、そうやって世代を超えて続いているのだと、ほほ笑ましく感じました。『竹馬の友』という言葉があるように、子どもたちには竹馬で培った友情をずっと大切にしてもらいたい」と話した。

　うさぎさんレースの結果は次の通り。

【１、２年】
▽男子＝①大石虎士・２年②加門幸人・同③平川幹久・同
▽女子＝①武田愛音・２年②松田優花・同③石本桃子・同

【３、４年】
▽男子＝①池田怜凰・３年②柴田琉心・同③佐藤吏紗・４年
▽女子＝①森本莉生・４年②甲斐莉杏那・３年③渡邊琴心・同

【５、６年】
▽男子＝①甲斐蓮人・６年②稲垣翔大・同③甲斐雄斗・５年
▽女子＝①藤川早千穂・５年②家髙里奈・６年③橋倉悠・６年