一本一本意識して練習を

国内１１連覇の金丸選手（４００メートル）が陸上教室

◆体幹を鍛えるには緊張をほぐすには

　陸上男子４００メートルで日本選手権１１連覇の記録を持つ金丸祐三選手（３３）＝大塚製薬陸上競技部＝による陸上教室が１２日、延岡市の西階陸上競技場であった。中高生約８０人が、トレーニングや走り方のこつを教わった。

　「チームのべおか小中高連携アスリート育成事業」の一環。同市が７月に大塚製薬と包括連携協定を結んだ関係で講師を依頼した。

　金丸選手は大阪府出身。高校３年時の２００５年から１５年まで日本選手権で１１連覇し、五輪にも北京大会から３大会連続出場を果たした。ルーティンとしてスタート前に行う「金丸ダンス」でも有名。

　教室には陸上部で主に短距離に力を入れる市内の中学生と、同市と日向市、五ケ瀬町の学校に通う高校生が参加した。

　金丸選手は、「冬季練習は日々の積み重ねが大事」と強調。走る前に体を慣らすアップ、重さのあるメディシンボールやミニハードルを使ったランニングドリルなど、手本を見せながら丁寧に解説。「頭で考えて消化し、意識と考えを持って一本一本大切に動くように」と呼び掛けた。スタートダッシュや中間走などのポイント練習も行った。

　また冬季練習で重要だという体幹トレーニングも行った。金丸選手が慣れた様子で見せる手本は簡単そうだが、実際にやってみるときついものばかり。「地味でつまらないが確実に強くなる。足が速い人は体が強い人ばかり。頑張れば頑張るだけ強くなります」と鼓舞し、「君たちの年代は自己ベストが出る。目標を高く持ち、意識を高く持てば伸び代が広がる。来年、全員が自己ベストが出るように気合の入った練習を期待している」とエールを送った。

　質問タイムもあり、選手たちは自分の課題を踏まえ、解決方法を尋ねた。レース前の緊張をほぐす方法に「良い結果が出た時、レース前にやった印象的なことを次の大会以降も繰り返し、ルーティンにすると精神的に楽になる」と助言を受けた延岡星雲高２年の生田望さん（１７）は「合宿などでは学ぶことのできないことが学べた」と充実した表情。「近くで金丸選手を見ていて緊張感があったし、技術の高さに圧倒された。日頃から考えて動くよう意識し、金丸選手のような選手になりたい」と話した。