土本さん（旭中）知事に思い伝える

青少年の主張県大会・優秀賞

◆「歌には力がある」

　青少年の主張県大会の最優秀賞、優秀賞受賞者と河野知事との座談会「知事に伝えよう私の思い」が１５日、県庁で開かれ、延岡市立旭中学校２年の土本香凜さんら中高生５人が意見を伝えた。

　同大会は例年８月に開催されているが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止し、作文審査のみで受賞者を決定。中学生対象の少年の部には６８９点、高校生対象の青年の部には１３０点の応募があり、県北からは少年の部で土本さんが優秀賞、町立高千穂中学校３年の押方歌多さんが優良賞に輝いた。

　この日は受賞者が大会で発表予定だった意見を順に披露し、「歌が大好き」という土本さんは所属するのべおか児童合唱団での活動を紹介。歌声が重なり一つになる合唱は心の支えだが、今年度は新型コロナで練習ができなくなり、「気持ちが沈み、ここまで日常に支障を来すとは思ってもみなかった」と振り返った。

　それでも気持ちを切り替えて、家でできる努力や感染防止の徹底を心掛けているうちに、前向きになれたと報告。「今回のことで当たり前の日常を送ることがどれほど尊いか分かった」と話し、「これからも工夫しながら歌と関わり続け、また合唱ができる日を信じて今を乗り越えていきたい」と、言葉に力を込めた。

　河野知事は自身も音楽好きであることを伝え、普段練習している合唱曲などを質問。コロナ禍の中、歌うことへの思いにより明るい心を取り戻した土本さんの姿勢をたたえ、「ぜひ、のべおか『第九』を歌う会にも参加してください」と呼び掛けた。

　優良賞を受賞した押方さんの作文の題は「正しい選択が未来を創る」。最優秀賞は、少年の部が県立宮崎西高校付属中学校３年、石川陽葵さんの「いまをどんな心で生きるか」、青年の部が県立宮崎農業高校３年、長田小春さんの「ブーゲンビリアに魅せられて〜宮崎の花への想（おも）い」だった。