１２日、初の大会－聖心ウルスラ

本紙掲載日：2020-12-11

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パソコンに向かって何度も実践を重ねる

手元にノートを置く部員も。「強くなりたい」という思いは他のスポーツと同じだ

助言する森教諭（右）。生徒間でも積極的に助言し合う

今春発足ｅスポーツ同好会

◆高校、中学部員８人が挑戦

　延岡市緑ケ丘の聖心ウルスラ学園高校（佐々木逸夫校長）に今春、対戦型パソコンゲームをする「ｅスポーツ」同好会が発足した。１２日には初めての大会出場が決まっており、「まずは１勝」と意気込んでいる。

　初めて出場する大会は、１１月から来年３月にかけて開かれる第３回全国ｅスポーツ選手権。同校が出場するのはリーグ・オブ・レジェンド部門で、全国各地から１６８チームがエントリーしている。

　コロナ禍の今年は全日程がオンライン開催。１２日から予選が始まり、決勝大会は３月中旬に予定されている。

　初戦から全国大会で上位入賞している強豪校と当たる厳しい組み合わせだが、ゲームキャプテンの工藤凌雅さん（１６）は、「とりあえず１勝はしたい」「時間いっぱい練習したい」と、ギリギリまで準備して大会に臨む。

　同好会の発足は、松田慎一郎教頭によると、「勉強だけでなく、生徒がやりたいと思うことを一生懸命にやってほしい」との思いから。「体を動かす、絵を描くなど好きな事はそれぞれ。ｅスポーツはそれがただパソコンの中というだけ。学校としてはできるだけ支えたい」と昨年度から検討を重ねてきた。在校生に相談すると「やってみたい」と人気があることが分かったという。

　民間企業が行うｅスポーツ部に必要な機材、高速回線などの費用を支援する「ｅスポーツ部発足支援プログラム」を活用して準備。４月の部活動紹介で部員を募集した。現在、部員は高校１年生６人、併設する同学園聡明中学校１年生２人の計８人。平日の５日間に２時間程度活動している。

　「世界では賞金額が３億円を超える大会もあるほどだが、普通の人から見ればテレビゲーム。どうしてもマイナスイメージからスタートしている部分があるので、まじめにやらなければならない」と顧問の森崇教諭。部員には「勉強が優先」と、部活と勉強の両立を日頃から指導する。

　同競技は複数のジャンルのゲームが存在するが、同校は世界各地でプロリーグが開催されている「リーグ・オブ・レジェンド」に取り組む。５人対５人の対戦型パソコンゲーム。先に相手チームの陣地にあるタワーを破壊した方が勝利する。

　部員は、ゲームが好きで入部した生徒が多いが、競技となると全員が初心者。創部に向けて研究した森教諭が解説し、ルール、動き方を覚えることから始め、何度も実践を重ねて場数を踏んできた。

　「（生徒は）負けるとどうすれば勝てるのかを考え、やる気になる」と森教諭。他のスポーツと同じで、どんなふうに負けたかを反省し次に生かす。プレー中は生徒同士が助言し合い、積極的にコミュニケーションを図る姿が見られる。

　工藤さんは「限られた練習時間だが、楽しい。強くなる実感があり、達成感がある」と話していた。

■ｅスポーツ
コンピューターゲーム、ビデオゲームなど、対戦型のゲームをスポーツ競技として捉える名称で「エレクトロニック・スポーツ」の略。ジャンルが複数あり、格闘、サッカー、カード、パズルなど多岐にわたる。
昨年の「茨城国体」では、文化プログラムの一環として「都道府県対抗ｅスポーツ選手権」が行われた。今年も鹿児島国体で同様に開催予定だったが、２３年に延期が決まっため、同選手権は今月下旬に単独開催される。