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「語りへの招待」薗田さんら語る

本紙掲載日:2020-12-10
7面

3編を情感たっぷり−延岡

 のべおか文化事業団主催の「語りへの招待〜家族の風景〜」が6日、延岡総合文化センターであった。3人の語り手が、スポットライトと時折流れる音楽の中で、「家族」をテーマにした小説をそれぞれ語った。来場者は時折笑い声を上げながら語りの世界を楽しんだ。

 元MRT、現在はフリーのアナウンサーとして活動する薗田潤子さんが中心となり、深野弘子さんと継続的に開いている公演で、延岡では7回目。今回は、ドラマ「半沢直樹」のナレーションを担当したことでも知られる、元NHKアナウンス室長の山根基世さんをゲストに迎えた。

 このうち薗田さんの演目は、浅田次郎作「聖夜の肖像」。結婚20年を迎え、何不自由ない生活を送る女性が主人公。夫は誰よりも愛してくれるが、女性は昔の恋人を忘れられず心から愛することができない。クリスマスイブの夜、夫に誘われ表参道に出掛けた際、女性は一生隠し続けようと思っていた心の内を夫に打ち明けてしまうという内容。薗田さんは複数の登場人物を声色を変えながら情感たっぷりに演じ、会場は一気に、しっとりとしたクリスマスの夜になった。

 公演後、ゲストの山根さんは「延岡に来ることができてうれしかった。皆さんの息遣いが聞こえ、生(の舞台)はいいなと思った」とあいさつ。薗田さんは「これからも朗読、語りを続けていきたい。またお会いできるのを楽しみにしています」と呼び掛けた。

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