行き先、決済もスマホ一つで

ＭａａＳ実証実験−宮崎市と日南市

　国土交通省九州運輸局や県、交通機関などでつくる実行委員会は、スマートフォン一つで最適な移動手段を案内する「宮崎県におけるＭａａＳ（マース）実証実験」を、宮崎市と日南市で始めた。

　マースとはＭｏｂｉｌｉｔｙａｓａＳｅｒｖｉｃｅ（モビリティ・アズ・ア・サービス）の略で、全ての交通手段による移動を一つのサービスとして捉え結びつける考え方。実証実験ではトヨタ自動車・トヨタファイナンシャルサービスが開発、提供しているスマートフォン向けのアプリケーション「ｍｙｒｏｕｔｅ（マイルート）」を使用する。

　同アプリを立ち上げて出発地と目的地を入力すると、最短や最安で到着できる交通手段の組み合わせやルート、発車や乗り継ぎの時刻、料金が瞬時に表示される。

　徒歩や電車、バスなどだけでなく、シェア（共有）サービスの自転車や車、レンタカーといった選択もでき、電子決済の乗車券購入や利用予約も可能なため、対面での手続きや現金のやり取りなしで完結できる。

　さらに、バスの１日乗り放題券やクーポン券などのお得なチケットも併せて表示され、購入が可能。地域が発信するお薦めのスポットやグルメ、イベント・観光情報も続々掲載されていくという。

　今月６日に宮崎市であった実証実験開始記念式で岩月理浩九州運輸局長は、「全国的にも珍しい先見的な事例。最初はよく分からないかもしれないが、使ってみると本当に便利で、観光客というより、まず県民の皆さんから使い広めてほしい」と期待を込めた。