福祉行き届く地域へ

本紙掲載日：2020-11-09

8面

ハザードマップを活用し地図に危険箇所などを記す生徒

財光寺中生、防災へ思い深める－日向

　日向市の財光寺中学校（﨑田浩二校長）で１０月２３日、１年生１５４人を対象にした福祉教育「ふくしと災害」があり、市社会福祉協議会や市防災推進課の職員、県防災士ネットワークの会員らを講師に、災害に強い地域づくりについて考えた。

　この日は、講話とグループワークの２部構成で実施。市社会福祉協議会の社会福祉士加藤正憲さんは、東日本大震災時の岩手県釜石市の様子を映像を交えて紹介しながら、福祉と災害の関係性を説明。福祉は「普段の暮らしを幸せにするものである」とし、「福祉が行き届いている地域は災害に強い」と強調した。

　また、市防災推進課技術員の塩月諒太さんは、市内では１時間の降水量が６０ミリを超えると至る所で冠水が発生するとし、「天気予報に関心を持ってほしい」。

　また、南海トラフ地震が発生した場合の市内の想定死者数について、３月の県防災会議で当初の約１万５０００人から約５９００人となったことを紹介。その要因として避難先となるタワーや山の整備などが進んだことを挙げ、「講話や訓練を通してゼロに近づけようとしている。皆さんも率先避難などで協力を」と呼び掛けた。

　グループワークでは教室や体育館に分かれ、５、６人ずつの班で自宅周辺の災害について考えた。

　体育館では切島１、２区の生徒が９班に分かれて活動。「在宅中に震度７の地震が発生し、津波警報が発令した」との想定の下、ハザードマップに危険箇所を記しながら、避難所までの道のりを確認した。

　浅田未羽さん（１３）は「普段歩いている道でもブロック塀などいろいろな危険があることに気付いた。自分の行動によって地域の人も救うことができることも分かり、防災に対して思いが深まった」と話した。

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