ミスが出ても…４併殺

第１４７回九州地区高校野球大会県予選・球音

◆カバーし合って守り勝つ

　延岡学園は強豪同士の守り合いを制し、秋は３年ぶりの九州切符。好守が光った二塁手の廣本航大は「１球の重みを合言葉に練習してきた。ミスが出ても誰かがカバーする自分たちの守備ができた」。言葉通りに３失策ながら４併殺。補ってあまりある堅守で競り勝った。

　つながりのある攻撃で打ち勝ってきた今秋。相手の丁寧な投球を前に、打撃は思い通りにならなかった分、つながりのある守備が光った。

　抜群だったのは、前チームからレギュラーを張る二遊間。一回、１死一、三塁から１点やむなしという三遊間への高いゴロを遊撃手尼嵜莉玖斗−廣本が流れるように併殺に仕留める。

　四、六回も失策や四球で先頭を出しながら、次打者を二遊間で併殺。三回は２死一塁から左翼線を破られたが、中継の尼嵜が強肩を生かし本塁で刺殺した。

　ハイライトは八回。ミスがらみで無死満塁とされ、飛球が左翼手村上琢磨の定位置やや左へ。「肩の強い尼嵜の頭の上へ投げるだけ。カットするかは任せる」。冷静に準備していた村上。全身を目いっぱい使って右腕を振ると、捕手・甲斐雄大のミットにワンバウンドのストライク。さらに、飛び出した一塁走者を挟殺し、トリプルプレーを完成させた。

　次は長打で逆転勝ちした宮崎商との決勝。村上は「外野で声を掛け合い、抜かせない。結果で親に恩返しをしたい」。廣本は「束になって１球に集中し、自分たちの攻撃・守備をやる」と、譲るつもりはない。