新型コロナ・１８日発表−県内感染者２１人

１７日時点−重症者は１人減の１人

　県と宮崎市は１８日、新型コロナウイルスの感染者が県内で新たに２１人確認されたと発表した。このうち、宮崎市の高齢者施設では１７人が感染するクラスター（感染者集団）が発生。感染者数の累計は３１５人となり、３００人を超えた。

　クラスターを除く新規感染者の内訳は▽高千穂町の５０代女性▽延岡市の３０代男性▽都城市の５０代男性▽宮崎市の５０代男性―で、高千穂町の女性は前日発表された感染者の家族だった。

　１７日時点で入院治療を受けている４７人のうち、重症者は１人減って２人から１人となった。宿泊・施設療養中は１８人で、このうち延岡市の施設で８人を受け入れている。

◆宮崎市内・介護施設でクラスター−入所者１０人、職員７人が感染

　クラスターが発生したのは、宮崎市島之内の有料老人ホーム「介護支援ホームささえ愛」。県内のクラスターは高鍋町と延岡市の飲食店に続き３例目で、高齢者施設での発生は初となる。７０〜１００歳代の入所者１０人と３０〜６０代の職員７人の感染が確認された。

　市によると、職員の３０代男性が１５日から発熱や鼻づまり、けん怠感などを発症。１７日のＰＣＲ検査で陽性が確認されたため、１８日に入所者１６人と職員１５人を検査したところ、集団感染が判明したという。

　県は要請を受けた市と連携し、医師と感染症管理認定看護師、保健師など６人からなる医療チームをただちに現場へ派遣。感染・居室状況を把握して、感染者の隔離区域と非感染者の居住区域を分けるなど施設の運営管理や搬送態勢、スタッフの適切な防護具着用など徹底した感染防止策を指導した。

　入所者は全員７０代以上だが、職員を含めいずれも軽症か無症状。１００歳以上の感染者１人については発熱もあるため即日入院し、ほかの入所者も入院調整しているという。
ただ、介護が必要な入所者も多く、病院や宿泊療養施設だけでの受け入れは困難とみられる。このため県と市は介護療養が可能な施設への支援要請も視野に、対応を急いでいる。

　入所者のうち５人、職員２人はまだＰＣＲ検査を受けていないため、１９日中に実施予定。感染した職員の家族らについても、濃厚接触者がいないかなどを調査する。

　市によると、同施設では通常の感染防止策として、少なくとも８月に入って以降は入所者への面会を中止し、職員にも外食自粛を要請。そのため、入所者の家族への感染リスクは低いとしている。

　また、感染者の接点が追跡できており、飲食店のように不特定多数に拡大する可能性は低いとして、県は現時点で国のクラスター対策班の派遣要請はしない方針。県内全ての高齢者施設に向けては早急に、文書などで感染防止策の見直しと徹底を求める。

　高齢者施設でのクラスター発生を受け、河野知事は昨夜、臨時に会見。「強い危機感を持って重く受け止めている」と語り、県民に対して「改めて高齢者や基礎疾患がある方のリスクを理解し、〃うつらない〃〃うつさない〃ための注意を徹底してほしい」と呼び掛けた。